在宅介護は「がんばりすぎない」が正解|今日を乗り切るためにできること

在宅介護をしていると、毎日が本当にあっという間に過ぎていきます。

「食事はちゃんと食べた?」

「お薬飲んだ?」

「今日のお風呂はどうしよう…」

気がつけば、自分のことは何一つできていない。

そんな日々が続くと、心も体もどこか置き去りになってしまいますよね。

でも、どうか思い出してほしいのです。

「がんばりすぎない介護」こそが、長く続けていける介護のかたちだということを。

疲れた表情でソファに座る中年の女性介護者。室内にはやさしい光が差し込み、「在宅介護は『がんばりすぎない』が正解 今日を乗り切るためにできること」という文字が描かれている。

がんばりすぎる人ほど、気づかない疲労

介護の現場では「真面目な人ほど倒れる」と言われることがあります。

・全部自分でやらなきゃ

・少しでもラクをしたら罪悪感

・人に頼るのが申し訳ない気がする

そんな思いを抱えたまま頑張り続けると、ある日突然、心がぷつんと切れてしまうことがあります。

「ひと休み」はサボりじゃありません

在宅介護には終わりが見えません。

だからこそ、**毎日を走りきるための「ひと休み」**が大切だと思うのです。

・10分だけベランダで深呼吸する

・お昼に好きなお菓子をこっそり食べる

・ラジオで誰かの声を聞く

たったそれだけでも、気持ちは少しリセットされます。

小さな「自分時間」を、今日のどこかに忍ばせてください。

完璧は目指さない

「今日はお風呂がムリそうなら、清拭だけで済ませよう」

「いつもより夕飯を1品減らしてもいい」

「もう寝かせたあとに洗濯しなくていいや」

それくらいの「ゆるさ」が介護には必要です。

介護は“できること”の積み重ねであり、“完璧”を目指す必要はありません。

大切なのは、介護する側も、される側も心が荒れないことだと言えます。

だからこそ、「今日はここまで」と思うようにして下さい。

感情の波も、自然なこと

「なんでこんなにイライラするんだろう」

「優しくできない自分がイヤになる」

そう思うのは、心が優しい方の特徴です。

感情は、無理にコントロールするものではなく、「あるもの」として受け止めてみませんか?

介護をするということは、キレイゴトではありません。

今までの生活に無かった「自分の生活+」のプラスの方が大きいからこそ、

様々な負担

ストレス

などが、心を体を蝕んできます。

相談できる場所をひとつ、見つけておく

孤独な介護ほど、つらいものはありません。

市区町村の「地域包括支援センター」や「ケアマネージャー」、介護経験のある知人でもかまいません。

「困ったときに、ここに聞ける」

という場所をひとつ持っておくだけで、心の余裕が違ってきます。

朝いちばんの「気持ちの立て直し」がカギ

在宅介護は、目が覚めた瞬間から始まります。

今日もトイレの介助、朝ごはん、服薬…と、やることは山ほどある。

でも、その前にほんの1分でも、自分の呼吸に目を向けてみてください。

深く吸って、ゆっくり吐く。

たったそれだけで、脳と心が整います。

介護は、頭で覚えたことよりも、

気持ちで向き合うことの方が、ずっと多いからです。

“ちゃんとした介護”じゃなくていい

周りと比べて「うちはダメかも」と思ったことはありませんか?

SNSでは、理想的な介護風景が美しく投稿されていたり、

雑誌では「介護上手な娘さん」が紹介されていたり。

でもそれは、ほんの一部の切り取られた風景にすぎません。

実際の介護には、怒り、涙、疲労、迷い…

そんな感情の全部入りで1日が回っているのが現実です。

「ちゃんとやらなきゃ」よりも、

「今日も何とか1日終わったね」と自分を褒めてあげること。

それが、あなたとあなたの家族を支える本当の力になります。

「がんばらなくても大丈夫だよ」と言ってくれる人を持つ

もし、心の中に「誰かに否定されたらどうしよう」という不安があるなら、

その思いを、誰かと一度だけでも分かち合ってみてください。

・近所の地域包括支援センター

・ケアマネさん

・訪問看護師さん

・オンラインの介護者コミュニティ

・TwitterやLINEの介護グループ

「聞いてもらえる場所」は、探せば意外とあります。

そして、もしできるなら、「今日はしんどかったな」と素直に言える人をひとり持ってください。

それだけで、孤独の底からすくい上げられるような日があります。

あなたが壊れてしまわないために

介護は、誰かのために生きる時間でもあります。

でもその前に、あなた自身の命と心があってこそ。

  • 寝不足が続いたら、昼寝をしてください。
  • 食事を作るのがしんどい日は、お惣菜や宅食でもかまいません。
  • 「笑えない日」があっても、それは壊れているのではなく、疲れているだけです。

だから、介護中に湧き上がるマイナスの感情は、

「ダメな自分」ではなく、「ちゃんと人間らしい証拠」だと受け止めてください。

今日を無事に終えられたあなたへ

あなたが今日ここまで読んでくださったということは、

きっと、日々の介護のなかで心が少し疲れていたのかもしれません。

でもどうか忘れないでください。

あなたがそばにいることが、最大の安心であり、愛そのものです。

がんばりすぎなくていい。

ちゃんと休んでください。

あなたは、じゅうぶんやっています。

まとめ:今日のあなたは、ちゃんと頑張ってる

今日、何もできなかった気がしても大丈夫です!

あなたがそばにいるだけで、安心してくれる人がいます。

どうか、自分のペースで、「できる範囲で」

がんばりすぎないことが、在宅介護を長く続けるためのいちばんのコツです。

明日また、笑顔で「おはよう」と言えるように

今夜は、しっかり自分をねぎらってくださいね。

タイトルとURLをコピーしました