「グループホーム」は2種類・認知症と障害者向けの違いをくわしく解説します

明るいグループホームの風景

「グループホームってどんな施設?」「認知症のグループホームと障害者グループホームは違うの?」

実は「グループホーム」という言葉は、介護と障害福祉の2つの制度で使われています。

そのため、内容を知らないと「同じ施設だと思っていた」というケースも少なくありません。

認知症対応型共同生活介護とは?(介護保険のグループホーム)

これは認知症の高齢者向けの介護保険サービスです。

家庭での生活が難しくなった人が、少人数で共同生活を送りながら介護を受けるための施設です。

  • 対象者:要支援2または要介護1以上で、医師に認知症と診断された高齢者
  • 利用できる人:原則として、その市区町村に住民票がある人
  • 生活スタイル:1ユニット9人までで家庭的な雰囲気
  • 主なサービス内容:食事、排せつ、入浴、掃除、服薬、認知症ケア など
  • 医療ケアは最小限。医師や看護師は常駐しないことが多い

共同生活援助とは?(障害者のグループホーム)

こちらは障害のある方が地域で自立した生活を送るための住まいです。

障害者総合支援法に基づいて提供されます。

  • 対象者:知的障害、精神障害、身体障害がある人
  • 利用年齢に上限はなし(高齢の方でも利用可能)
  • 生活スタイル:少人数で家をシェアするような形(職員の支援あり)
  • 主なサービス内容:見守り、生活の相談、金銭管理のサポート、通院同行など
  • 就労継続支援やデイサービスと併用する人も多い

わかりやすい比較表

以下は、「認知症対応型共同生活介護」と「共同生活援助」の違いをまとめた表です。

項目認知症対応型共同生活介護
(介護保険グループホーム)
共同生活援助
(障害者グループホーム)
対象者認知症と診断された65歳以上の高齢者知的・精神・身体障害のある人(年齢制限なし)
制度の根拠介護保険制度障害者総合支援法
費用介護度・収入により異なる
(月7〜15万円程度)
障害支援区分と収入により異なる
(月3〜10万円程度)
医療体制医師・看護師の常駐は基本なし医療ケアは基本的に外部医療機関を利用
支援内容食事、入浴、排せつなどの介護、認知症ケア見守り、生活相談、日中活動支援、金銭管理など
入居条件その市区町村に住民票があること地域による制限は少ない
併用できるサービス訪問診療、訪問リハなど就労継続支援、通所サービスなど

比較表を見てわかるように、「認知症対応型共同生活介護」と「共同生活援助」では、対象となる人の条件や支援の内容、費用の計算方法まで大きく異なります。

そのため、「どちらのグループホームに入れるか」ではなく、「どの制度が本人の状況に合っているか」を見極めることが何より大切です。

特に気をつけたいのが、以下のようなケースです。

  • 高齢だけど、障害福祉サービスを受けている人
  • 認知症があるが、身体障害の手帳も持っている人
  • 年齢は若いが、日常生活で介護的な支援が必要な人

このような場合、どちらの制度が優先されるのかは自治体や専門職との相談で決まることが多いため、早めに相談窓口に話をしてみることをおすすめします。

迷ったときは、「地域包括支援センター(高齢者)」か「障害福祉課(障害者)」に連絡すれば、的確な案内を受けることができます。

■ 「グループホーム」という言葉が混乱しやすい理由

「グループホーム」という言葉は、介護の世界と障害福祉の世界の両方で使われているため、混乱しやすいと言われています。

高齢者の介護施設を探しているときに「グループホーム」と聞くと、認知症の高齢者向け施設を指すことが多いですが、障害福祉の分野では障害のある方が地域で暮らす住まいのことを意味します。

そのため、施設を探す際には「どちらの制度のグループホームなのか」を確認することがとても大切です。

自治体の窓口や相談支援員、ケアマネジャーに相談すると、本人の状況に合った制度を案内してもらえます。

■ グループホームを選ぶときに注意したいポイント

どちらの制度にも共通するのが、「施設によって雰囲気や支援内容が大きく違う」という点です。

同じ制度内でも、以下のような違いがあります。

  • スタッフの人数や対応力
  • 食事の質や入浴回数
  • 外出やレクリエーションの頻度
  • 家族との連絡の取りやすさ
  • 医療との連携(特に持病がある人は要確認)

そのため、見学は必ず複数施設に行くのがおすすめです。パンフレットやWebサイトだけでは分からない、実際の空気感や対応の丁寧さを確かめましょう。

■ 「介護施設」と「福祉施設」は、相談窓口も異なる!

実は、「認知症対応型共同生活介護」と「共同生活援助」では、相談する窓口が違います。

「どこに相談すればいいかわからない」という場合は、お住まいの市区町村の「福祉総合窓口」や「地域包括支援センター」にまず電話してみると案内してくれます。

■ 利用までの流れも違う!手続き方法の概要

◎ 認知症対応型共同生活介護の場合

  1. 要介護認定を受ける(要支援2または要介護1以上)
  2. ケアマネジャーと相談し、施設を探す
  3. 施設と面談 → 契約 → 入居スタート

◎ 共同生活援助(障害者グループホーム)の場合

  1. 障害者手帳または診断書、障害支援区分を取得
  2. 相談支援専門員と「サービス等利用計画」を作成
  3. 施設と見学・面談 → 契約 → 入居スタート

このように、必要な認定や計画作成の流れも異なるため、事前に制度を理解しておくとスムーズです。

■ ひと目でわかるまとめ表

比較ポイント認知症対応型共同生活介護
(介護保険のグループホーム)
共同生活援助
(障害者グループホーム)
対象者認知症と診断された高齢者知的障害・精神障害・身体障害のある人
制度介護保険制度障害福祉サービス
主な目的認知症のある高齢者が少人数で介護を受けながら生活する障害のある人が地域で自立した生活を続ける
支援内容食事・入浴・排せつ・服薬・認知症ケアなど見守り・生活相談・金銭管理の支援・通院同行など
入居条件要支援2または要介護1以上、原則住民票が同一市区町村障害福祉サービスの利用条件を満たすこと
相談先地域包括支援センター、ケアマネジャー障害福祉課、相談支援専門員
向いている人認知症があり、家庭での生活が難しくなってきた高齢者障害があり、地域で見守りを受けながら暮らしたい人

同じ「グループホーム」という名前でも、対象者・制度・支援内容は大きく異なります。迷ったときは、本人の年齢や状態だけでなく、どの制度の支援が必要なのかを基準に考えることが大切です。

また、「高齢者の住まい」なのか、「障害福祉の住まい」なのかを最初に切り分けると、相談先も選びやすくなります。

まとめ:どちらも「自立を助ける住まい」、でも制度も支援も別物!

同じ「グループホーム」という名前でも、まったく別の制度なんです。

選ぶ際は、本人の状況や目的、年齢、障害の有無、介護度などをよく確認して、ケアマネジャーや相談支援専門員に相談すると安心です。

必要なサポートがしっかり受けられるよう、違いを理解しておくことが、家族にとっても本人にとっても大切なポイントです。

おすすめ関連記事

介護サービスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

タイトルとURLをコピーしました