高齢の親が熱を出したら?受診の目安と病院を嫌がる・不安がるときの対応

発熱した高齢の父親に寄り添い、スマートフォンで相談先を確認する娘

高齢の親が熱を出すと、「病院に連れて行ったほうがいい?」「本人は行きたがらないけれど、大丈夫だろうか」と迷うことがあります。

反対に、症状は軽そうでも「すぐ病院へ行きたい」と強く不安になる親もいます。家族だけで判断するのは難しいですよね。

高齢者の発熱では、熱の高さだけでなく、呼吸や意識、食事や水分が取れているか、普段と比べて様子が変わっていないかを確認することが大切です。迷ったら、まずはかかりつけ医に電話で相談し、受診方法を確認しましょう。

先に確認したいこと
息苦しさ、意識の変化、立てないほどのふらつき、突然の高熱などがある場合は、ためらわず119番へ。緊急の症状がなくても、発熱が続く、食事や水分が取れない、いつもと様子が違うときは、かかりつけ医へ早めに電話で相談してください。

高齢の親が熱を出したとき、まず見ること

熱が出たときは、体温の数字だけで受診の必要性を決めないようにしましょう。高齢者は、感染症にかかっても高熱や強いだるさが目立たず、微熱や長引くせきなどが主な症状になることがあります。

普段の体温や持病、薬、本人の状態によっても判断は変わります。次のような変化がないか、落ち着いて確認してください。

  • いつから熱があるか、体温はどのくらいか
  • 呼吸が苦しそう、息が速い、顔色や唇の色が悪いなどの変化
  • 呼びかけへの反応や会話が、いつもと違わないか
  • 水分を飲めているか、尿が極端に少なくなっていないか
  • 食事が取れているか、吐いたり下痢をしたりしていないか
  • せき、のどの痛み、痛み、寒気などの症状
  • 歩き方や動作、認知症の症状などに急な変化がないか

高齢者では、熱の高さだけでは分かりにくい場合があります。「いつもより反応が鈍い」「急に食べなくなった」「寝てばかりいる」など、普段との違いも受診相談の際に伝えましょう。

すぐに119番を検討したい症状

次のような症状がある場合は、救急車が必要となる可能性があります。親が「大丈夫」「病院には行かない」と話していても、緊急性の高い症状が見られる場合は、119番へ連絡してください。

  • 突然の高熱
  • 急な息切れ、呼吸困難
  • 呼びかけても反応が鈍い、意識がもうろうとしている
  • 急にふらつき、支えがないと立てない
  • ろれつが回らない、顔の片側がゆがむ、片方の手足に力が入らない
  • けいれんがある
  • 突然の激しい頭痛や胸の痛みがある

迷ったときに、症状の判断を家族だけで抱え込む必要はありません。ただし、意識がない、呼吸が苦しいなど、明らかに緊急性が高い場合は、電話相談を待たずに119番へ連絡しましょう。

救急車を呼ぶほどではなさそうなとき

緊急の症状はないものの、熱が続く、せきやだるさが強い、水分が取りにくい、持病があるなど心配な点がある場合は、かかりつけ医や地域の医療機関へ電話で相談します。

発熱のある人は、受診する時間や入口を分けている医療機関もあります。連絡せずに直接行くのではなく、先に電話をして受診方法を確認しましょう。かかりつけ医がいない場合は、自治体の相談窓口や医療機関案内を利用できることがあります。

「何度以上なら受診」という数字だけで決めるのではなく、熱が出た時期、症状、持病、普段との違いをまとめて伝えると、相談しやすくなります。

親が病院に行きたがらないとき

熱があっても、「病院は嫌だ」「寝ていれば治る」「大げさにしたくない」と受診を拒む親はいます。心配する家族が強く説得すると、かえって話を聞いてもらえなくなることもあります。

まずは、なぜ行きたくないのかを聞いてみましょう。待ち時間がつらい、移動が大変、感染症が心配、検査や入院が怖いなど、理由によって対応を考えられます。

伝え方の例
「すぐ病院へ行こうと言っているんじゃないよ。まず、いつもの先生に電話で相談してみよう」
「熱の数字だけじゃなく、息苦しさがないかも先生に聞いてみよう」
「電話して、受診が必要と言われたら一緒に行こう」

「病院へ行くかどうか」をいきなり決めるのではなく、まず電話で医師の意見を聞く形にすると、本人が受け入れやすくなることがあります。受診が必要になった場合に備えて、家族が付き添う、いつもの医療機関を選ぶ、移動方法を相談するなど、負担を減らせる方法も考えましょう。

ただし、呼吸が苦しい、意識がはっきりしない、突然立てなくなったなどの症状があるときは、本人が受診を嫌がっていても緊急対応を優先してください。認知症などがあり、本人が状況を理解しにくくなっている場合も、医療機関や救急相談窓口に家族から相談しましょう。

反対に、親がすぐ病院へ行きたがるとき

少しの熱でも「すぐ病院へ行きたい」と不安になる親もいます。その不安を「心配しすぎ」と片づけず、どんな症状が気になるのかを聞いてみましょう。

息苦しさや意識の変化など緊急の症状がなければ、まずはかかりつけ医に電話をして、受診の必要性やタイミングを確認できます。地域によっては、救急車を呼ぶか、すぐ受診した方がよいかを相談できる♯7119も利用できます。

家族が「受診するほどではない」と判断してしまうのではなく、本人の不安を受け止めながら、医療機関や相談窓口に判断をつなぐことが大切です。

受診や電話相談の前にまとめておくこと

電話をかける前に、分かる範囲で次の情報をメモしておくと、症状を伝えやすくなります。

  • 年齢、体温、熱が出始めた時刻
  • せき、息苦しさ、痛み、吐き気などの症状
  • 食事や水分が取れているか、尿の回数
  • 普段と違う様子や、症状が悪化した時間
  • 持病、かかりつけ医、普段飲んでいる薬
  • アレルギーや、医師から受けている注意事項

受診する場合は、保険証または資格確認書、お薬手帳、普段飲んでいる薬の情報なども準備します。救急車を呼ぶ場合も、通報後にできる範囲で用意すれば大丈夫です。準備のために通報を遅らせないでください。

高齢者の発熱で相談できる連絡先

相談先こんなとき
119番呼吸困難、意識の異常、突然の高熱など、緊急性が高い症状がある
かかりつけ医発熱や体調変化があり、受診すべきか、いつ受診するか相談したい
♯7119救急車を呼ぶか、すぐ病院へ行くか迷う(実施地域のみ)
自治体の医療相談・医療機関案内かかりつけ医がいない、休日や夜間に受診先を探したい

♯7119は全国どこでも利用できるわけではありません。地域によって実施状況や受付時間、別の相談番号が異なります。利用できる地域かどうかは、消防庁や自治体の公式サイトで確認してください。緊急性が高い場合は、♯7119ではなく119番へ連絡します。

よくある質問

何度の熱が出たら病院へ行けばよいですか?

一律に「何度以上」と決めることはできません。普段の体温や持病、ほかの症状によって対応が異なります。高齢者は高熱が出ないこともあるため、体温だけでなく、呼吸や意識、食事・水分、普段との違いも見て、かかりつけ医へ相談してください。

熱が下がったら受診しなくても大丈夫ですか?

熱が下がっても、息苦しさや強いだるさ、食事や水分が取れない、いつもと違う様子が続く場合は、医療機関へ相談しましょう。処方薬を使っている方は、薬の説明や医師の指示に従ってください。

本人が受診を拒否しているとき、家族だけで病院へ連れて行ってもよいですか?

まずは本人の不安や拒否する理由を聞き、かかりつけ医に電話で相談してみましょう。意識がはっきりしない、呼吸が苦しいなど緊急性の高い症状がある場合は、本人の返事を待たず119番へ連絡してください。

まとめ

高齢の親が熱を出したときは、体温の数字だけで受診の必要性を決めず、呼吸や意識、食事・水分、普段との違いを確認しましょう。緊急性の高い症状があれば119番へ。迷うときや、受診を嫌がる・不安がるときは、かかりつけ医や地域の救急相談窓口に電話で相談できます。

親の気持ちを聞きながら、家族だけで判断を抱え込まず、医療機関につなぐ方法を探していきましょう。

参考情報

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