
「高齢の親に会いに行きたいけれど、インフルエンザをうつしてしまわないか心配」
インフルエンザが流行する時期は、離れて暮らす親への訪問や、介護施設への面会を迷うことがあるかもしれません。
2026年は、8月28日にインフルエンザの流行入りが公表されました。厚生労働省が10月23日に発表した報告では、10月12日から18日までに、インフルエンザの患者を報告する医療機関1か所あたり、全国平均で9.08人の報告がありました。昨年の同じ時期の3.26人を上回っています。
インフルエンザにかかった高齢者は、肺炎などを伴い重症化することがあります。この記事では、高齢の親を訪問するときに確認したいことや、親に症状が出た場合の相談・受診の目安を紹介します。
高齢の親を訪問する前に確認したいこと
まず、自分や同居家族に発熱、咳、のどの痛みなどがないか確認しましょう。
体調に気になる症状がある場合は、訪問を延期できないか検討します。食事や薬の準備などで訪問が必要なときは、親の生活に支障が出ないよう、家族間での受け渡しや介護サービス事業所への相談など、別の方法がとれないか確認しましょう。
介護施設に入所している親に会いに行く場合は、面会の方法や感染症対策が施設ごとに異なることがあります。訪問前に施設へ連絡し、面会できるか、マスクの着用が必要かなどを確認しておくと安心です。
訪問前のチェックリスト
- 自分や同居家族に発熱や咳などの症状がないか
- 症状がある場合、訪問を延期できるか
- 介護施設を訪問する場合、面会のルールを確認したか
- 訪問が必要な場合、代わりに対応できる家族やサービスがあるか
訪問するときにできる感染対策
訪問時は、手洗いをしてから親と過ごしましょう。咳やくしゃみが出る場合は、マスクを着用するなど咳エチケットを心がけます。部屋の換気も、無理のない範囲で行いましょう。
マスクの着用は個人の判断が基本ですが、施設などが感染対策のために着用を求める場合があります。親の体調や訪問先のルールに合わせて対応してください。
インフルエンザは、症状が出る前からウイルスを排出することがあるとされています。自分に症状がない場合でも、訪問前後の手洗いや咳エチケットを続けることが大切です。
高齢の親に症状が出たら、早めに医療機関へ相談
インフルエンザでは、38℃以上の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、強いだるさなどが比較的急に現れることがあります。咳、のどの痛み、鼻水などが出る場合もあります。
高齢者や持病のある方は重症化することがあるため、親に症状が見られたら、かかりつけ医や医療機関に電話で相談しましょう。受診する場合は、受診方法や時間を事前に確認しておくと、医療機関の案内に沿って行動できます。
高熱が続く、呼吸が苦しい、意識や反応の様子がおかしいなど、具合が悪いときは早めに医療機関へ相談してください。意識がない、呼吸ができないなど緊急性が高い場合は、119番へ連絡します。
離れて暮らしていてすぐに様子を見に行けない場合は、近くに住む家族や、利用中の介護サービス事業所、ケアマネジャーなどへ連絡し、安否確認や必要な支援について相談しましょう。
インフルエンザワクチンについて親と確認する
インフルエンザワクチンには、発病をある程度抑えたり、重症化を防いだりする効果があります。接種しても感染や発病を完全に防げるわけではありませんが、接種を希望する場合は、かかりつけ医に相談できます。
定期接種の対象は、原則として65歳以上の方です。60歳から64歳までの方でも、心臓・腎臓・呼吸器の機能や免疫機能に一定の障害がある場合は対象となることがあります。接種時期や自己負担額は自治体によって異なるため、親が住む市区町村や医療機関に確認しましょう。
接種するかどうかは、本人の体調や持病なども踏まえて、医師と相談しながら決めることが大切です。
訪問を控えるときも、親の支援を途切れさせない
家族に症状があるときは、親への感染を防ぐため、訪問を控えることが選択肢になります。ただし、食事や薬の受け取りなど、親の生活に必要な支援まで止めてしまわないよう注意しましょう。
訪問を延期する場合は、電話で親の体調や食事の状況を確認し、必要なものを玄関先で渡す、別の家族に頼む、ケアマネジャーや介護サービス事業所に相談するなど、状況に合った方法を考えます。介護サービスについては、ホームヘルパーに頼めることも確認してみましょう。
感染対策と親の暮らしの支援を、家族だけで抱え込む必要はありません。困ったときは、利用中の介護サービス事業所やケアマネジャーに早めに相談しましょう。
まとめ
インフルエンザが流行する時期に高齢の親を訪問するときは、自分や同居家族の体調を確認し、手洗いや咳エチケット、換気を心がけましょう。発熱や咳などの症状がある場合は、訪問を延期できるか検討し、必要な支援が途切れないよう家族や介護サービス事業所に相談します。
親に症状が出たときは、自己判断で様子を見続けず、かかりつけ医や医療機関に相談してください。息苦しさや意識の変化など、緊急性が高い症状がある場合は、速やかに対応しましょう。
※この記事は2026年10月24日時点の公的情報をもとに作成しています。症状や受診方法、ワクチン接種については、医療機関や自治体の案内をご確認ください。
参考情報
- 厚生労働省「インフルエンザの発生状況(2026年10月23日発表)」
- 厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
- 厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」
- 総務省消防庁「救急車利用マニュアル」

