
「要介護認定は、一度受けたらずっと有効なの?」
「更新のお知らせが届いたけれど、また調査を受けるの?」
初めての申請を終えて少し落ち着いたころ、更新の案内が届くと、戸惑うこともありますよね。
要介護認定・要支援認定には有効期間があります。引き続き認定を受けて介護保険サービスを利用するには、期間が終わる前に更新申請が必要です。
更新では、現在の心身の状態や普段の介護の状況をあらためて確認します。
この記事では、更新の時期、初回との違い、家族が準備しておくと安心なことをやさしく解説します。
要介護認定って更新する制度なの?
はい。要介護認定は、一度認定されればずっと同じ要介護度が続く制度ではありません。要支援1・2の認定にも有効期間があります。
認定後に体の状態が変わったり、できることが増えたり、反対に介助が必要な場面が増えたりすることもあります。そのため、更新時に現在の状態を確認し、介護の必要性をあらためて審査します。
更新は自動ではありません。現在の状態が前回と変わっていなくても、引き続き認定が必要な場合は申請しましょう。
有効期間はどこで確認する?
介護保険被保険者証に記載されている「認定の有効期間」を確認してください。
いつまで有効なのか、終了日をカレンダーなどにも控えておくと安心です。
介護保険被保険者証は、医療機関で使うマイナ保険証・資格確認書とは別のものです。
毎年更新するの?
必ず毎年というわけではありません。有効期間は、申請の種類や本人の状態などによって異なります。
| 認定の種類 | 原則の有効期間 | 市区町村が必要と認めた場合の範囲 |
|---|---|---|
| 初回の認定(新規) | 6か月 | 3~12か月 |
| 更新で要介護度・要支援度が変わった場合 | 12か月 | 3~36か月 |
| 更新で要介護度・要支援度が同じ場合 | 12か月 | 3~48か月 |
「更新なら必ず4年間」という意味ではありません。実際の期限は、届いた介護保険被保険者証で確認しましょう。
更新申請はいつからできる?
原則として、現在の認定の有効期間が終わる60日前から、終了日までの間に申請できます。
「2か月前」と覚えるよりも、自治体の案内や実際の日付を確認するほうが確実です。
郵送で申請する場合は、到着までの日数や受付日の扱いにも注意しましょう。
更新の案内が届く時期や申請方法は、自治体によって異なります。案内が見当たらないときも、有効期間を確認し、市区町村の介護保険担当窓口へ問い合わせてください。
担当ケアマネジャーがいる場合は、
「更新の時期が近いのですが、申請はどう進めればよいですか」
と早めに相談すると安心です。
初回の申請と更新は何が違う?
基本的な流れは、初回も更新も次のとおりです。
- 申請する
- 認定調査を受け、主治医意見書を用意してもらう
- 審査・判定を受ける
- 認定結果が届く
更新でも、書類を出すだけで同じ要介護度が延長されるわけではありません。
| 比べる項目 | 初回の申請 | 更新申請 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 初めて介護の必要性を確認する | 現在の介護の必要性をあらためて確認する |
| 申請時期 | 介護や支援が必要になったとき | 原則、有効期間終了の60日前から終了日まで |
| 家族が整理すること | 現在の生活と必要な手助け | 現在の生活に加え、前回からの変化や実際の介助 |
| 認定結果 | 要支援・要介護などの判定 | 前回と同じ場合も、変わる場合もある |
更新では、利用中のサービスや、家族が日常的に行っている介助も整理しやすくなっています。
「前回と変わらないと思う」ときも、普段の生活を振り返ってみましょう。
更新の手続きはどのように進む?
1.市区町村へ更新申請をする
本人や家族が申請できます。
ケアマネジャーの所属する居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、介護保険施設などに申請代行を相談できる場合もあります。
窓口・郵送・電子申請への対応は自治体によって異なります。施設で暮らしている場合は、施設の相談員などにも確認しましょう。
代行をお願いするときは、「誰が、いつまでに申請するか」まで確認しておくと、行き違いを防ぎやすくなります。
2.認定調査を受ける
調査員が本人の生活している場所などを訪問し、体の動きや日常生活の状況を確認します。
家族が普段の様子を補足できるよう、日程を調整しましょう。
立ち会えない場合は、メモの提出や電話での聞き取りが可能か、事前に相談してください。
3.主治医意見書を用意してもらう
更新でも主治医意見書が必要です。
市区町村が医療機関へ直接依頼する地域が多いですが、本人・家族に依頼の手続きを案内する自治体もあるため、申請先の説明に従ってください。
しばらく受診していない場合や主治医が変わった場合は、受診の必要性や意見書の依頼先を確認しておきましょう。
4.審査・判定を経て結果が届く
認定調査の結果や主治医意見書などをもとに、審査・判定が行われます。
結果が届いたら、要介護度・要支援度と新しい有効期間を確認し、担当ケアマネジャーや施設へ共有してください。
必要に応じて、利用中のサービスやケアプランを見直します。
家族が準備しておくと安心なこと
申請に使う書類・情報をそろえる
次のものが必要になることがあります。
- 更新申請書
- 介護保険被保険者証
- 主治医の氏名、医療機関名、所在地、電話番号
- 最近の受診日や次回の受診予定
- 本人・家族の連絡先
- 医療保険の加入情報や、本人確認・個人番号に関する書類
原本・写しの扱いや追加書類は、市区町村の案内で確認してください。
普段の介助をメモする
調査の日にすべてを思い出して伝えるのは、意外と難しいものです。
最近の生活を、次のように整理してみましょう。
| 場面 | メモしておきたいこと |
|---|---|
| 食事 | 食べる動作、準備、声かけ、見守りなど、誰が何を手伝っているか |
| トイレ | 移動、衣服の上げ下ろし、後始末、夜間の介助の回数 |
| 入浴・着替え | 一人でできる部分と、手伝いが必要な部分 |
| 移動 | 杖や歩行器の使用、見守り・付き添い、転倒した場面 |
| 薬・金銭管理 | 飲み忘れへの対応、薬の準備、支払いの手助け |
| 物忘れなど | 困った出来事、その頻度、家族が行った対応 |
例えば、「トイレが大変」だけでなく、
「夜に2~3回起き、そのたびに付き添っている」
と書くと、状況を説明しやすくなります。メモは、普段の生活や必要な手助けを、調査員に伝え忘れないために使いましょう。
認定調査に向けて、普段の生活と介助の頻度を把握しておくことは、自治体の案内でも勧められています。
「できる」ことを支えている手助けも伝える
本人が「自分でできます」と答えても、実際には家族が準備や声かけをしていることがあります。
例えば、次のような伝え方です。
「食事は自分で食べますが、食べやすく切って配膳するのは家族です」
「薬は自分で飲みますが、家族が分けて置き、毎回声をかけています」
このように、本人ができることと、それを支える手助けの両方を伝えましょう。
調査時には、普段より頑張って動いたり、うまく説明できなかったりすることもあります。調査員の前でできたことに加えて、普段の様子や日による違いも補足してください。
本人の前では話しづらい内容は、メモで伝えられるか相談しておくと安心です。
主治医にも生活の変化を伝える
診察室だけでは、家庭での介助の様子まで伝わりにくいことがあります。
歩きにくくなった、着替えの手伝いが増えた、薬の管理が難しくなったなど、前回からの変化を短くまとめ、受診時に伝えましょう。
できることも困っていることも、ありのままに整理することが大切です。柏市でも、主治医意見書の参考として、日常生活の状況を伝える書類を案内しています。
更新で要介護度が変わることもある?
はい。更新時の審査で、前回より重くなる場合も、軽くなる場合もあります。要介護から要支援になったり、非該当と判断されたりする可能性もあります。
「これまでサービスを使っていたから、今回も同じ結果になる」とは限りません。
結果が変わった場合は、現在のサービスへの影響や今後の支援について、担当ケアマネジャーなどへ相談してください。
結果に疑問がある場合は、市区町村の認定担当窓口へ確認できます。
更新時期より前に介護が増えたら?
有効期間の途中でも、本人の状態が変わり、今の認定と実際の介護の状況が合わなくなった場合は、区分変更などの申請を相談できます。
「更新までまだ半年あるから」と一人で抱えず、まず担当ケアマネジャーへ、何ができなくなり、どの介助が増えたのかを伝えてください。
申請すれば必ず要介護度が上がるわけではありません。サービスの調整で対応できるかも含めて相談しましょう。
更新を忘れた・結果が間に合わないときは?
申請を忘れて有効期間が過ぎた場合
認定が切れてから新たに申請するまでの間は、原則として介護保険の給付を受けられず、サービス費用が全額自己負担になるおそれがあります。
気づいた時点で、市区町村の介護保険担当窓口と担当ケアマネジャーへ連絡してください。
事情によって扱いが異なる場合があるため、自己判断で放置しないことが大切です。
期限内に申請したけれど、結果がまだ届かない場合
期限内に申請していても、審査に時間がかかることがあります。まず自治体へ進み具合を確認しましょう。
期限後のサービス利用については、暫定ケアプランなどの対応が必要になる場合があります。担当ケアマネジャーと自治体へ確認してください。
結果によって、利用できるサービスや保険で賄える範囲が変わることもあるため、費用の扱いも相談しておくと安心です。
よくある質問
Q.体の状態が変わっていなくても更新は必要?
引き続き認定を受けて介護保険サービスを利用するには、更新申請が必要です。同じ要介護度のまま自動延長されるわけではありません。
Q.ケアマネジャーに任せれば、家族は何もしなくていい?
申請代行を相談できる場合はありますが、主治医の確認や調査日程の調整、普段の介助の説明など、本人・家族の協力が必要な場面もあります。
任せる範囲を確認しましょう。
Q.施設に入っていても更新する?
施設入所だけを理由に、認定が自動延長されることはありません。
引き続き認定が必要な場合は、施設の相談員などと更新の進め方を確認してください。
Q.介護保険被保険者証をなくしてしまったら?
見つからないまま期限を過ぎないよう、市区町村へ早めに相談してください。再交付や申請時の扱いを案内してもらえます。
まとめ|更新は、今の暮らしに合う支援を考える機会
要介護認定・要支援認定には有効期間があり、引き続き認定が必要な場合は更新申請を行います。
- 介護保険被保険者証で、有効期間の終了日を確認する
- 原則として終了日の60日前から申請できる
- 更新でも、認定調査や主治医意見書をもとに審査する
- 家族が普段行っている介助や、前回からの変化をメモする
- 結果が届いたら、新しい要介護度と有効期間を確認する
更新は書類の手続きであると同時に、「今の支援で生活を続けられているか」を相談する機会にもなります。
家族だけで準備を抱え込まず、担当ケアマネジャーや地域包括支援センター、施設の職員と一緒に進めていきましょう。
参考情報
※2026年10月4日時点の公式情報をもとに作成。申請方法・必要書類は、お住まいの市区町村で確認してください。


