「要介護認定を申請したけれど、結果が出る前に退院日が決まってしまった」。
そんなとき、認定結果が届くまで在宅サービスを待たなければならないのでしょうか。
認定結果が出る前でも、暫定的なケアプランを作成して介護サービスを利用できる場合があります。 ただし、後から出た認定結果によっては、費用の一部または全部が自己負担になります。退院後に必要な支援を受けられるよう、利用を始める前に病院と介護の相談先へ連絡しておきましょう。

認定結果が出る前にサービスを使える仕組み
要介護・要支援認定を受けた場合、その効力は原則として申請日にさかのぼります。このため、申請後から結果が出るまでの間も、本人の状態を踏まえた「暫定ケアプラン」を作成し、訪問介護や通所サービスなどの利用を進めることができます。
ただし、申請しただけで希望するサービスが自動的に始まるわけではありません。利用前に、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所へ相談し、必要なサービスと費用の見込みを確認します。事業所との契約や自治体への届出が必要になるため、退院日が決まったら早めに動くことが大切です。
申請中に使う書類の名称や提示方法も、自治体の案内に従ってください。たとえば千葉市では、認定結果を待つ間に「介護保険資格者証」を交付し、サービス利用時に提示する方法を案内しています。
認定結果はいつごろ出る?
認定結果の通知は申請から原則30日以内ですが、退院までに結果が届くとは限りません。結果を待っている間に在宅での介護が必要になりそうなら、退院日が確定する前から相談を始めてかまいません。
暫定ケアプランで利用するときの費用の注意点
結果が出る前にサービスを利用する際は、後から確定する認定結果によって、介護保険が適用される範囲が決まることに注意が必要です。
- 要介護・要支援と認定された場合:対象となるサービスは、認定結果に応じた介護保険給付の対象になります。利用限度額の範囲内では、原則として費用の1~3割を負担します。
- 見込みより軽い認定だった場合:確定した区分の利用限度額を超えた分は、全額自己負担になります。要介護を見込んでいて要支援となった場合は、利用したサービスやケアプランの扱いについても確認が必要です。
- 非該当だった場合:利用した介護保険サービスは、原則として全額自己負担になります。
費用を抑えるために一律に「一段階低い区分」で計画を立てるのではなく、退院直後に欠かせない支援を優先し、認定結果が見込みと違った場合にいくら負担する可能性があるかを、ケアマネジャーなどと確認しておくと安心です。
支払い方法にも注意しましょう。自治体や利用の手続きによっては、いったん費用を全額支払い、認定後に保険給付に相当する分を請求する場合があります。この払い戻しは、非該当や限度額超過による自己負担分まで戻るという意味ではありません。利用開始前に「最初にいくら支払うか」「後から精算があるか」を確認してください。
退院が迫っているときの相談先
まずは入院先の病院へ
病棟の看護師や、退院支援を担当する医療ソーシャルワーカー・退院支援看護師に、「認定を申請中で、退院後の生活に介護サービスが必要そうです」と伝えましょう。
退院後に何ができて、どの場面で手助けが必要かを共有すると、在宅生活に必要な支援を整理しやすくなります。退院日が近い場合は、その日付も伝えてください。
ケアマネジャーが決まっていなければ地域包括支援センターへ
地域包括支援センターは、高齢者や家族が介護について相談できる窓口です。まだ相談先が決まっていないときは、本人の住む地域を担当するセンターに、認定申請中で退院が近いことを伝えましょう。
要介護が見込まれる場合は居宅介護支援事業所のケアマネジャー、要支援が見込まれる場合は地域包括支援センターなどが、ケアプランの相談先になります。要支援・要介護の見込みがはっきりしない段階では、関係する窓口同士の連携も含めて相談してください。
市区町村の介護保険担当窓口にも退院予定を伝える
これから申請する場合も、すでに申請した場合も、退院予定日が分かったら市区町村の介護保険担当窓口へ伝えましょう。千葉市は、退院予定などの事情で訪問調査や結果通知を急ぐ場合、申請時に申し出るよう案内しています。ただし、申し出れば必ず退院までに認定されるわけではありません。
退院までに確認しておきたいこと
- 要介護・要支援認定を申請済みか。申請日と退院予定日はいつか。
- 退院後、食事・トイレ・入浴・移動など、どの場面で支援が必要か。
- 暫定ケアプランを誰に相談し、いつまでに作成できるか。
- 退院直後から利用できるサービスがあるか。
- 認定結果が見込みより軽い場合や非該当の場合、費用はいくらになるか。
- 利用時の支払い方法と、自治体への必要な届出は何か。
まとめ
介護認定の結果待ちでも、暫定ケアプランを作成して、申請後からサービスを利用できる場合があります。ただし、利用できるサービスや最終的な自己負担は、認定結果によって変わります。
退院が迫っているなら、まず病院の退院支援担当者に状況を伝え、地域包括支援センターやケアマネジャー、市区町村の介護保険担当窓口と連絡を取りましょう。サービスを始める前に、必要な支援と費用の見込みを一緒に確認しておくことが大切です。


