
「親の介護が必要になり、仕事との両立が難しくなってきた」
「会社を辞めて、介護に専念した方がよいのではないか」
親の介護が始まると、このように介護離職を考える方も少なくありません。
しかし、仕事を辞めると給与がなくなるだけでなく、健康保険や年金の切り替え、将来の年金額、再就職などにも影響します。
また、介護を理由に退職しても、すぐに働ける状態でなければ、原則として失業給付の基本手当を受け取ることはできません。
退職を決める前に、介護休業や介護休暇、勤務時間の短縮など、仕事を続けながら利用できる制度を確認することが大切です。
この記事では、親の介護で仕事を辞める前に知っておきたい制度と、退職後の収入・失業給付・健康保険・年金について、2026年時点の情報をもとに分かりやすく解説します。
介護離職とは?
介護離職とは、家族の介護や看護を理由に仕事を辞めることです。
総務省の「令和4年就業構造基本調査」によると、2021年10月から2022年9月までの1年間に、介護・看護を理由として離職した人は約10万6,000人でした。
介護に直面しやすい年代は、住宅ローンや教育費、自身の老後資金なども考えなければならない時期と重なります。
一度仕事を辞めると、介護が落ち着いた後に同じ条件で再就職できるとは限りません。収入が減るだけでなく、厚生年金の加入期間や将来受け取る年金額にも影響する可能性があります。
介護休業は、介護をすべて自分で担うための期間ではありません。今後の介護体制を整え、仕事と介護を両立するための準備期間として活用することが想定されています。
介護離職すると収入はどうなる?
会社を退職すると、原則として給与収入はなくなります。
一方で、退職後も生活費や介護費用はかかります。健康保険料や年金保険料を自分で負担するケースもあるため、収入が減る一方で支出が思ったほど減らないこともあります。
また、介護を理由に退職したからといって、必ずすぐに失業給付を受け取れるわけではありません。
雇用保険の基本手当を受け取るには、原則として働く意思と能力があり、求職活動をしていることが必要です。介護のため、すぐには就職できない状態の場合は、基本手当の支給対象になりません。
介護などにより30日以上働けない状態が続く場合は、基本手当の受給期間を延長できることがあります。退職を検討するときは、当面の生活費を確保できるか、退職前に必ず確認しておきましょう。
介護は終わる時期を予測しにくく、長期化することもあります。「数か月だけなら大丈夫」と考えず、収入・貯蓄・介護費用・社会保険料を含めた資金計画が必要です。
会社を辞める前に知っておきたい両立支援制度
親の介護が始まったからといって、すぐに仕事を辞める必要があるとは限りません。
育児・介護休業法には、介護休業や介護休暇、所定外労働の制限、時間外労働・深夜業の制限、勤務時間を短縮するための措置などが定められています。
さらに2025年4月からは、介護に直面したと申し出た労働者に対して、会社が両立支援制度を個別に案内し、利用する意向を確認することが義務付けられました。
会社独自の制度が用意されている場合もあります。退職届を提出する前に、人事・総務担当者や上司へ相談し、利用できる制度を確認しましょう。
① 介護休業制度
介護休業は、要介護状態にある家族を介護する労働者が、会社に申し出て一定期間仕事を休める制度です。
対象となる家族は、次のとおりです。
- 配偶者(事実婚を含む)
- 父母
- 子
- 配偶者の父母
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 孫
介護休業を取得できるのは、対象家族1人につき通算93日までです。93日を上限として、3回まで分けて取得できます。
ここでいう「要介護状態」とは、負傷や病気、身体上または精神上の障害により、2週間以上にわたって常時介護を必要とする状態を指します。
介護保険の要介護認定を受けていなくても、国が示す判断基準に当てはまれば制度の対象になる可能性があります。
介護休業は、93日間にわたり介護をすべて自分で担うことを目的とした制度ではありません。
地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する、介護サービスを手配する、家族で役割を分担するなど、仕事と介護を両立できる体制を整える期間として活用することが大切です。
パート・アルバイト・契約社員も、要件を満たせば取得できます。ただし、労使協定や雇用契約の内容によって対象外になる場合があるため、勤務先の人事・総務担当者に確認しましょう。
② 介護休業給付金
介護休業中に会社から給与が支払われない場合でも、一定の要件を満たす雇用保険の被保険者には、雇用保険から介護休業給付金が支給されます。
支給額は、原則として次の計算式で求められます。
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
例えば、休業前の月額賃金が30万円だった場合、30日間の介護休業に対する給付額は、単純計算では約20万1,000円です。
ただし、実際の支給額は休業期間の日数や休業中に会社から支払われた賃金、支給上限額などによって異なります。必ず月給の67%をそのまま受け取れるわけではありません。
また、介護休業給付金には、原則として介護休業開始前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あることなどの要件があります。
給付の対象となるのは、同じ対象家族について通算93日まで、3回を上限として取得した介護休業です。
注意したいのは、介護休業中も健康保険料・厚生年金保険料が免除される制度はないことです。給与が支払われない場合、社会保険料の本人負担分をどのように支払うのか、事前に会社へ確認しておきましょう。
介護休業給付金は、通常、勤務先を通して申請します。手続きの流れや必要書類についても、介護休業を申し出る際に確認しておくと安心です。
③ 介護休暇制度
介護休暇は、要介護状態にある家族の介護や世話をするために取得できる休暇です。
取得できる日数は、1年度につき次のとおりです。
- 対象家族が1人の場合:5日まで
- 対象家族が2人以上の場合:10日まで
1日単位だけでなく、原則として時間単位でも取得できます。
通院の付き添い、介護サービスの手続き、ケアマネジャーとの打ち合わせ、短時間の見守りなどに利用できるため、仕事を続けながら介護に対応したい場合に役立ちます。
介護休暇を有給にするか無給にするかは、法律で一律に定められていません。会社の就業規則によっては、休暇を取得した時間分の給与が支払われないことがあります。
2025年4月からは、労使協定によって「継続して雇用された期間が6か月未満の労働者」を介護休暇の対象外にする仕組みが廃止されました。
ただし、週の所定労働日数が2日以下の労働者は、労使協定がある場合に対象外となることがあります。詳しい取り扱いは勤務先に確認しましょう。
介護離職で起こりやすい4つの問題
介護離職をすると、介護に使える時間は増えます。
しかし、収入や社会保険、再就職などに影響するため、「仕事を辞めれば介護の問題が解決する」とは限りません。
退職を決める前に、介護離職後に起こりやすい問題を確認しておきましょう。
① 給与収入がなくなる
会社を退職すると、給与収入は原則としてなくなります。
その一方で、次のような支出は退職後も続きます。
- 日々の生活費
- 住宅ローンや家賃
- 子どもの教育費
- 健康保険料や年金保険料
- 親の介護サービス費や医療費
介護のためにすぐ働けない場合は、雇用保険の基本手当も直ちには受け取れません。
退職前には、毎月必要な生活費と介護費用を書き出し、給与がなくなっても生活を維持できる期間を確認しておく必要があります。
② 健康保険料や年金保険料を自分で負担する場合がある
退職すると、勤務先の健康保険と厚生年金の資格を喪失します。
退職後の健康保険には、主に次の選択肢があります。
- 勤務先の健康保険を任意継続する
- 国民健康保険に加入する
- 条件を満たして家族の健康保険の被扶養者になる
在職中の健康保険料は会社と本人が原則として折半していますが、任意継続では会社負担がなくなるため、退職前より本人負担が増えることがあります。
国民健康保険料は前年の所得や世帯構成、住んでいる自治体などによって決まります。退職して現在の収入が減っても、退職直後の保険料がすぐに安くなるとは限りません。
また、20歳以上60歳未満で、配偶者の扶養に入らない場合は、原則として国民年金第1号被保険者への切り替えが必要です。
③ 介護が終わってもすぐ再就職できるとは限らない
介護が落ち着いた後に再就職しようとしても、退職前と同じ仕事内容や給与、勤務条件の仕事が見つかるとは限りません。
特に介護が長期化すると、仕事から離れている期間も長くなります。希望する職種によっては、知識や技術の更新が必要になることもあります。
厚生年金に加入しない期間が長くなれば、将来受け取る老齢厚生年金の額にも影響します。
「介護が終わればまた働けばよい」と簡単に考えず、再就職まで含めた長期的な影響を検討することが大切です。
④ 社会とのつながりが減り、介護を抱え込みやすくなる
仕事を辞めると、人と話す機会や外出する機会が減ることがあります。
介護中心の生活が続くことで、次のような状態になる場合もあります。
- 介護の悩みを一人で抱え込む
- 休む時間を確保できない
- 家族以外の人と話す機会が減る
- 心身の疲れに気づきにくくなる
仕事を辞めれば時間に余裕ができるとは限りません。「家にいるのだから介護できる」と周囲から頼られ、かえって介護負担が集中する可能性もあります。
離職する場合でも、介護サービスや家族の協力、地域の相談窓口を利用し、一人だけで介護を背負わない体制を作ることが重要です。
介護離職を決める前に検討したいこと
介護離職は、家族の生活だけでなく、自分の収入や将来の年金にも影響する大きな決断です。
退職届を提出する前に、介護サービスと職場の両立支援制度を組み合わせて、仕事を続けられないか検討してみましょう。
介護保険サービスを利用する
介護を家族だけで担おうとすると、仕事との両立が難しくなります。
親の状態や要介護度に応じて、次のような介護保険サービスを利用できる場合があります。
- 訪問介護
- 通所介護(デイサービス)
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 福祉用具の貸与
- 訪問看護
サービスを利用するには、原則として要介護認定の申請が必要です。すでに担当のケアマネジャーがいる場合は、「仕事を続けたい」「平日の日中は介護できない」など、具体的な事情を伝えてケアプランを見直してもらいましょう。
介護保険サービスだけでは対応できない時間帯については、自治体の支援や民間サービス、家族との分担も含めて検討します。
地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する
地域包括支援センターは、高齢者の介護・福祉・健康・権利擁護などに関する相談を受け付ける地域の総合相談窓口です。
まだ要介護認定を受けていない場合や、どこに相談すればよいか分からない場合は、親が住んでいる地域を担当する地域包括支援センターへ相談しましょう。
すでに要介護認定を受け、担当のケアマネジャーがいる場合は、仕事との両立が難しくなっていることを伝えます。
相談するときは、単に「介護が大変です」と伝えるだけでなく、次のような情報を整理しておくと具体的な提案を受けやすくなります。
- 介護が必要になる曜日や時間帯
- 通院や送迎の頻度
- 認知症状や見守りの必要性
- 自分の勤務時間や通勤時間
- 家族が協力できる範囲
「仕事を辞めずに介護を続けたい」と最初に伝えることも大切です。
退職を申し出る前に会社へ相談する
介護の事情を会社に伝えず、一人で悩んだ末に退職を決めてしまう人もいます。
しかし、勤務先では次のような制度を利用できる可能性があります。
- 介護休業
- 介護休暇
- 短時間勤務
- フレックスタイム制度
- 始業・終業時刻の繰り上げや繰り下げ
- 所定外労働の制限(残業免除)
- 時間外労働や深夜業の制限
- テレワーク
制度の有無や利用条件は会社によって異なります。上司だけでなく、人事・総務担当者や社内の相談窓口にも確認してみましょう。
2025年4月からは、介護に直面したことを申し出た労働者に対し、会社が仕事と介護の両立支援制度を個別に案内し、利用の意向を確認することが義務付けられています。
介護休業などの利用を申し出たことを理由に、解雇や降格などの不利益な取り扱いをすることは禁止されています。
「迷惑をかけるから辞めるしかない」と決めつけず、利用できる制度と働き方を確認してから判断しましょう。
どうしても介護離職する場合に確認したい手続き
勤務先の両立支援制度や介護サービスを利用しても仕事を続けることが難しく、退職を選ぶ場合は、退職後の生活に必要な手続きを事前に確認しておきましょう。
特に重要なのは、次の3点です。
- 雇用保険の基本手当を受け取れる状態か
- 退職後に加入する健康保険をどうするか
- 国民年金への切り替えや保険料の支払いをどうするか
申請期限が設けられている手続きもあります。退職後に慌てないよう、退職前から勤務先、ハローワーク、市区町村、年金事務所などへ確認しておくと安心です。
雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)
介護を理由に退職した場合でも、一定の要件を満たせば、雇用保険の基本手当を受け取れる可能性があります。
ただし、基本手当は「退職した人に自動的に支給されるお金」ではありません。
基本手当を受け取るには、原則として次の状態にあることが必要です。
- 就職する意思がある
- いつでも働ける能力や環境がある
- 求職活動をしている
- 就職できていない
そのため、親の介護に専念しており、すぐには働けない場合は、原則として基本手当を受け取れません。
介護による退職が「特定理由離職者」と認められる場合がある
親族の疾病や負傷などにより家庭の事情が急変し、介護のため離職を余儀なくされた場合は、ハローワークの判断により特定理由離職者と認められることがあります。
特定理由離職者と認められた場合は、正当な理由のない自己都合退職とは異なり、原則として給付制限はかかりません。また、基本手当を受け取るために必要な雇用保険の被保険者期間について、離職前1年間に通算6か月以上という要件が適用される場合があります。
ただし、介護を理由に退職した人が全員、自動的に特定理由離職者になるわけではありません。
離職理由は、会社が発行する離職票の記載だけで決まるものではなく、本人と会社双方の説明や提出資料をもとに、最終的にハローワークが判断します。
介護の状況を確認できる書類などの提出を求められることがあるため、退職前に住所地を管轄するハローワークへ相談しておきましょう。
介護ですぐに働けない場合は「受給期間延長」を確認する
親族の介護により、退職後すぐに働くことができない状態が30日以上続く場合は、基本手当の受給期間を延長できることがあります。
基本手当を受け取れる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。
受給期間延長の手続きをすると、働けない日数をこの期間に加え、最長で離職日の翌日から4年以内まで受給期間を延長できます。
受給期間延長は、基本手当の支給日数や金額を増やす制度ではありません。介護が落ち着き、働ける状態になってから基本手当を受け取れるよう、受給できる時期を先送りする制度です。
申請が遅れると、所定給付日数のすべてを受け取れない場合があります。30日以上働けない状態になったときは、できるだけ早くハローワークへ相談しましょう。
退職後の健康保険は3つの選択肢を比較する
退職日の翌日からは、勤務先の健康保険を利用できません。
退職後の健康保険には、主に次の3つの選択肢があります。
- 勤務先の健康保険を任意継続する
- 国民健康保険に加入する
- 条件を満たして家族の健康保険の被扶養者になる
健康保険の任意継続
退職日までに継続して2か月以上健康保険に加入していた場合は、原則として退職日の翌日から20日以内に手続きすることで、最長2年間、退職前の健康保険を継続できます。
ただし、退職後は会社負担分も本人が負担するため、保険料が退職前の本人負担額のおおむね2倍になることがあります。上限などもあるため、実際の金額は加入していた健康保険へ確認してください。
国民健康保険
国民健康保険料は、前年の所得や世帯の加入者数、住んでいる自治体などによって異なります。
自治体の窓口で保険料の見込み額を確認し、任意継続の保険料と比較しましょう。離職理由などによっては保険料の軽減や減免を受けられる場合もあるため、併せて確認してください。
家族の健康保険の被扶養者になる
配偶者などが会社の健康保険に加入している場合は、収入などの条件を満たすことで、その健康保険の被扶養者になれる可能性があります。
雇用保険の基本手当も収入として扱われ、基本手当日額によっては扶養に入れない場合があります。詳しい認定基準は、家族が加入している健康保険や勤務先へ確認しましょう。
任意継続には申請期限があります。退職後に比較を始めるのではなく、退職前に3つの保険料と加入条件を確認しておくことが大切です。
国民年金への切り替えと保険料免除を確認する
20歳以上60歳未満の人が退職し、すぐに再就職しない場合は、原則として厚生年金から国民年金第1号被保険者への切り替えが必要です。
ただし、厚生年金に加入している配偶者の扶養に入り、国民年金第3号被保険者の要件を満たす場合は、自分で国民年金保険料を納める必要はありません。
また、退職した人に扶養されていた20歳以上60歳未満の配偶者も、国民年金第3号被保険者の資格を失うため、切り替え手続きが必要になる場合があります。
国民年金保険料の支払いが難しい場合は、保険料免除・納付猶予制度を利用できる可能性があります。
失業した本人については、前年所得を除外して審査する「失業等による特例免除」があります。ただし、免除は自動的に適用されるものではなく、本人・配偶者・世帯主の所得などをもとに審査されます。
保険料を未納のままにすると、将来の年金額だけでなく、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給にも影響する可能性があります。支払いが難しいときは放置せず、市区町村の国民年金窓口または年金事務所へ相談しましょう。
退職前に確認したい制度と手続き一覧
| 確認すること | 主な内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 介護休業 | 対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分割可能 | 介護体制を整えるための期間として活用する |
| 介護休業給付金 | 原則として休業開始時賃金日額の67%相当 | 支給要件・上限あり。介護休業中の社会保険料は免除されない |
| 介護休暇 | 対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日 | 原則として時間単位で取得可能。有給か無給かは会社による |
| 勤務先の両立支援制度 | 短時間勤務、残業免除、時差出勤、テレワークなど | 利用できる制度や条件は勤務先に確認する |
| 雇用保険の基本手当 | 働く意思と能力があり、求職中であることが必要 | 介護ですぐ働けない場合は、原則として受給できない |
| 特定理由離職者 | 介護によるやむを得ない退職が該当する場合がある | 自動的に認められるものではなく、ハローワークが判断する |
| 受給期間延長 | 介護で30日以上働けない場合、受給期間を延長できることがある | 給付日数や金額を増やす制度ではない |
| 退職後の健康保険 | 任意継続、国民健康保険、家族の扶養を比較する | 任意継続は原則として退職日の翌日から20日以内に手続き |
| 退職後の年金 | 国民年金第1号への変更、または配偶者の扶養に入って第3号になる | 支払いが難しい場合は免除・納付猶予を申請する |
介護離職に関するよくある質問
親の介護で退職したら、すぐに失業保険を受け取れますか?
介護を理由に退職しただけでは、すぐに受け取れるとは限りません。
雇用保険の基本手当を受け取るには、原則として、すぐに働ける状態で求職活動をしていることが必要です。親の介護に専念しており、すぐには働けない場合は、受給期間延長の対象になる可能性があります。
介護を理由に退職すれば、必ず特定理由離職者になりますか?
必ず認められるわけではありません。
親族の疾病や負傷などで家庭の事情が急変し、離職を余儀なくされた場合は、特定理由離職者と認められる可能性があります。本人と会社の説明や提出書類などをもとに、最終的にはハローワークが判断します。
介護休業中は給与の67%を必ず受け取れますか?
必ず給与の67%を受け取れるわけではありません。
一定の要件を満たすと、雇用保険から原則として休業開始時賃金日額の67%相当の介護休業給付金が支給されます。ただし、休業中に会社から支払われる賃金や支給上限額などによって、実際の支給額は異なります。
介護休業中の健康保険料や厚生年金保険料は免除されますか?
介護休業中の健康保険料と厚生年金保険料は、原則として免除されません。
給与が支払われない場合でも、本人負担分を支払う必要があります。支払方法については、介護休業に入る前に勤務先へ確認しておきましょう。
退職後は必ず国民健康保険に加入しますか?
必ず国民健康保険に加入するわけではありません。
退職後の健康保険には、退職前の健康保険を任意継続する、国民健康保険に加入する、条件を満たして家族の健康保険の被扶養者になるという選択肢があります。保険料と加入条件を比較して選びましょう。
親が要介護認定を受けていなくても介護休業を取得できますか?
介護保険の要介護認定を受けていなくても、育児・介護休業法上の要介護状態に該当すれば、介護休業を取得できる可能性があります。
取得できるか分からない場合は、勤務先の人事・総務担当者や都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談しましょう。
まとめ|退職を決める前に仕事と介護を両立できないか確認しよう
親の介護で仕事との両立が難しくなると、「辞めるしかない」と考えてしまうことがあります。
しかし、介護離職をすると給与がなくなるだけでなく、健康保険や年金、将来の年金額、再就職にも影響します。
また、介護を理由に退職しても、すぐに働けない状態であれば、原則として雇用保険の基本手当を受け取ることはできません。
退職を決める前に、次のことを確認しましょう。
- 介護休業や介護休暇を利用できないか
- 勤務時間の短縮や残業免除を利用できないか
- 介護保険サービスを追加・変更できないか
- 家族で介護を分担できないか
- 退職後の生活費と介護費用を確保できるか
- 健康保険料や年金保険料がいくらになるか
介護休業は、介護をすべて自分で行うためではなく、仕事と介護を両立できる体制を整えるための制度です。
まずは勤務先の人事・総務担当者、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどに相談し、離職以外の方法がないか検討してみましょう。
それでも退職を選ぶ場合は、ハローワークや市区町村、年金事務所に早めに相談し、利用できる制度と必要な手続きを確認することが大切です。
家族の生活を守ることと同じように、介護する自分自身の収入や将来を守ることも大切です。一人で抱え込まず、制度や周囲の支援を利用しながら、無理のない介護体制を整えていきましょう。
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