「介護施設」と「老人ホーム」の違いを知っていますか？

「介護施設」と「老人ホーム」って、同じように聞こえますが、実は目的やサービス内容が大きく違うんです。この記事では、初めて介護を考える方や、ご家族のために情報を探している方に向けて、「介護施設」と「老人ホーム」の違いをわかりやすくご説明します。

介護施設と老人ホームはどう違う？

まずは言葉の違いから整理しましょう。「介護施設」は、介護が必要な高齢者のための医療・看護・介護サービスが中心の場所です。一方、「老人ホーム」は、高齢者の生活の場としての性格が強く、必ずしも介護が必要な人だけが入るわけではありません。

「老人ホーム」という言葉は、正式な分類ではなく、高齢者向け施設の総称です。実際には、以下のような種類があります。

これらは、生活支援中心で医療・介護は外部サービスを利用することが多く、介護が重度になった場合には、介護施設への移行が必要になることもあります。

これらの施設は、介護保険が適用されるため、自己負担が比較的少なくなります。ただし、入居には要介護度の条件や空き状況などが関係するので

「すぐ入りたい！」

といってもすぐ入れるわけではありません。

特別養護老人ホーム（特養）などの公的な介護施設は費用が比較的安く、手厚い支援が受けられるため人気があります。しかしその分、全国的に“待機”が発生しているのが現状です。

都市部では数百人待ちという施設も珍しくなく、「要介護3以上でないと入れない」といった入所基準も厳しい傾向があります。実際には、申し込んでから数ヶ月〜1年以上かかるケースもあるため、余裕をもって早めに動くことが大切です。

一方で、有料老人ホームなどの民間施設は、空きがあれば比較的スムーズに入居できますが、費用面や介護度への対応力を慎重に見極める必要があります。

「介護施設と老人ホームって、結局どっちも高齢者のための場所でしょ？」

そう思われる方はとても多いです。しかし、介護が必要になったとき、どちらを選ぶかで生活の質が大きく変わることをご存じでしょうか？

この記事では、「老人ホームと介護施設、何がどう違うの？」という疑問にお答えしながら、初めて施設を探す方でもわかりやすく選べるよう、それぞれの特徴や選び方のポイントを深掘りして解説します。

介護施設と老人ホームの最も大きな違いは、その施設の目的と提供されるサービスの中身です。

「老人ホーム」という言葉はとても広い意味を持ちます。自立した高齢者でも入居できる住まいであり、“暮らしの場”として提供されているものが多いです。生活支援（食事、掃除、見守りなど）は受けられますが、医療や介護は外部サービスを使うのが基本です。

一方で、「介護施設」は医療的なケアや専門的な介護が必要な人のために設計された場所です。要介護認定を受けた方が対象となり、日常生活全般の介護・看護サービスが提供されます。

たとえば、介護が必要な親のために「見守りがあるから安心」と思って老人ホームを選んだものの、実際には介護サービスは別契約で費用がかさむ…というケースも少なくありません。

逆に、まだ元気な高齢者が「介護施設」に入ってしまうと、自由が制限されて生活の質が落ちてしまう可能性もあります。

このように、目的に合わない施設を選ぶと、本人にも家族にも大きなストレスがかかるのです。

さらに、将来の介護状態の変化も考慮して、段階的に移行しやすい施設を選ぶと安心です。

「どちらを選べばいいのかわからない」という方は、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談するのが一番です。本人の状態や希望をもとに、最適な施設の種類を一緒に考えてくれます。

「老人ホーム」は暮らしを支える場所、「介護施設」は介護や医療が必要な人のための場所。まずはご家族の状態に合わせて、生活の支援が必要なのか、それとも医療・介護のケアが必要なのかを考えることが第一歩です。

施設選びは、一人で決めるには悩みが多すぎるもの。だからこそ、迷ったらまずは相談してみましょう。家族と話し合い、専門機関と連携することで、きっと納得のいく選択が見えてくるはずです。

介護は「今すぐどうするか」だけでなく、数年後を見据えた選択がとても大切です。

「今は元気だけど将来が心配」

「家族に迷惑をかけたくない」

という思いから、早めに情報収集を始めるご家庭が増えています。

不安なときは、一人で悩まずに地域の支援機関に相談してみてくださいね。