高齢の親の見守り、自治体に相談できる?|地域で異なる支援と確認方法

高齢の母親に寄り添い、暮らしについて話す娘のイラスト

「離れて暮らす親が心配だけれど、毎日様子を見に行くことはできない」
「まだ介護は必要ないけれど、ひとり暮らしを支える仕組みはないの?」

そんなときは、親が住んでいる市区町村の高齢者福祉窓口や、地域包括支援センターに相談してみましょう。

自治体によっては、電話による安否確認や、見守り機器の利用料補助などの支援があります。ただし、内容や利用条件、費用は地域によって異なります。

この記事では、見守りの相談先、自治体の具体例、親の住む地域で支援を確認する方法を紹介します。

※自治体の具体例は、2026年10月9日時点で確認した公式情報をもとにしています。申込時は最新の対象条件や受付状況をご確認ください。

親の見守りは、どこに相談すればいい?

まずは親の住む地域の「地域包括支援センター」へ

地域包括支援センターは、高齢者の暮らしや介護について相談できる総合相談窓口です。本人だけでなく、家族からの相談も受け付けています。

「介護サービスを使いたい」という相談に限らず、「ひとり暮らしの親が心配」「今のうちに地域の支援を知りたい」といった困りごとから相談できます。

離れて暮らしている場合は、親の住所を担当するセンターに連絡しましょう。地域によって窓口の名称が違うこともあるため、見つからなければ市区町村の高齢者福祉担当課に尋ねてみてください。

相談と、サービスの利用条件は分けて考える

まだ要介護認定を受けていない段階でも、高齢者の暮らしに関する不安を相談してみましょう。

ただし、相談できることと、希望する見守りサービスを利用できることは別です。 年齢、世帯状況、健康状態などを確認したうえで、利用できる支援を案内してもらいます。

自治体の見守り支援には、どんなものがある?

見守りといっても、支援の形はさまざまです。例えば、次のような仕組みがあります。

支援の形内容の例確認したいこと
電話による安否確認定期的に電話をして、様子や困りごとを確認する電話の頻度、つながらなかったときの対応
見守り機器の利用補助自治体が対象とする機器・サービスの費用を一部補助する対象機器、補助額、自己負担
暮らしや見守りの相談本人や家族から不安を聞き、必要な支援につなぐ対象者、受付時間、相談方法

これらは、横浜市、世田谷区、福岡市の公式情報で確認できる支援の例です。すべての地域に同じ仕組みがあるわけではありません。

また、「電話相談」と「定期的に電話をかけてもらうサービス」は異なります。制度名だけで判断せず、実際に何をしてもらえるかを確認しましょう。

自治体の具体例|地域によって支援の形が違う

以下は全国共通の制度ではなく、それぞれの自治体の取り組みです。

横浜市|見守り・安否確認機器の月額費用を補助

横浜市には「高齢者見守り・安否確認機器補助事業」があります。

対象は、市内在住で65歳以上のひとり暮らしの方で、市が指定する他の見守りサービスを利用していない方です。

この事業に登録された見守りサービスの月額費用について、最大月額1,000円の補助を受けられます。利用したいサービスを選び、提供事業者へ直接連絡する仕組みです。

補助があっても、すべての費用が無料になるとは限りません。契約前に、補助後の月額料金や初期費用、見守りの内容を確認しましょう。

東京都世田谷区|家族も相談できる「高齢者安心コール」

世田谷区の「高齢者安心コール」では、区内在住の65歳以上の方や、その親族・近隣の方などから、日常生活の困りごとや見守りに関する電話相談を受けています。

電話相談は24時間365日、無料で利用できます。

一方、同事業の「電話訪問による見守りサービス」は、2026年3月末で新規受付を終了しています。既存利用者への提供も2027年3月末までで、2027年4月から終了予定です。

相談窓口が利用できることと、定期的な電話による見守りに新しく申し込めることを、分けて確認する必要があります。

福岡市|原則毎日1回の電話で確認する「声の訪問」

福岡市には、定期的な安否確認が必要なひとり暮らしの高齢者などを対象とした「声の訪問」があります。

対象は、市内に住む福岡市の介護保険被保険者で、65歳以上のひとり暮らしの方、またはそれに準ずる方です。

電話で原則毎日1回、安否を確認し、さまざまな相談に応じます。利用料は無料です。

申請者は本人ですが、申請書の代行提出も可能とされています。相談・申請窓口は、親の住む区の福祉・介護保険課です。

親の住む市区町村で支援を調べる方法

1.自治体の公式サイトで検索する

次のような言葉を組み合わせると、情報を探しやすくなります。

  • 「市区町村名 高齢者 見守り」
  • 「市区町村名 安否確認」
  • 「市区町村名 見守り機器 補助」
  • 「市区町村名 地域包括支援センター」

公式サイトの「高齢者福祉」「在宅生活支援」「ひとり暮らし高齢者」などのページも確認してみましょう。

2.対象条件・費用・受付状況を確認する

確認する項目確認する内容
対象者年齢、住所、ひとり暮らし・高齢者のみ世帯などの条件
その他の条件健康状態、所得、他の支援との併用など
費用月額料金、初期費用、補助額、自己負担
対応範囲家族への通知だけか、訪問・駆けつけも含むか
申込方法本人の申請が必要か、家族による代行ができるか
受付状況現在も新規受付中か、終了・変更の予定があるか

公式ページでも、以前の制度の案内が残っている場合があります。更新日だけでなく、本文に「終了」「新規受付停止」などのお知らせがないか確認してください。

3.分からなければ、困っていることから相談する

制度名が分からなくても、相談を始めることはできます。

例えば、こんな伝え方で大丈夫です。

「そちらの地域で、78歳の母がひとり暮らしをしています。私は遠方に住んでいて、毎日は訪問できません。電話による安否確認や、見守り機器の補助など、利用できる支援はありますか?」

年齢や暮らし方に加えて、最近心配になった出来事を伝えると、状況を共有しやすくなります。

見守りを選ぶときは、親の気持ちと緊急時の対応も確認する

家族にとって安心できる方法でも、親本人は「監視されているようで落ち着かない」と感じることがあるかもしれません。

毎日の電話がいいのか、日々の操作が少ない機器がいいのか、本人の希望も聞きながら検討しましょう。

また、機器が異変を知らせたあとに誰が確認するかも大切です。「家族に通知するサービス」と「現地への駆けつけを含むサービス」では、対応できる範囲が違います。

家族の連絡先や、近くで協力できる人、本人が電話に出られないときの対応を、契約前に確認しておくと安心です。

※見守りの相談窓口は、救急要請の代わりではありません。倒れていて意識がないなど、緊急性が高い状況では119番へ連絡してください。

よくある質問

離れて暮らす家族からでも相談できますか?

地域包括支援センターでは、家族からの相談も受け付けています。まずは親の住所を担当するセンターへ連絡しましょう。サービスの申請については、本人の同意や所定の書類などを別途確認してください。

自治体の見守りは、すべて無料ですか?

無料のサービスもあれば、費用の一部を補助する制度もあります。相談が無料でも、紹介されたサービスの利用に費用がかかることはあります。利用前に自己負担を確認しましょう。

調べても見守りサービスが見つからない場合は?

市区町村の高齢者福祉窓口や地域包括支援センターに、利用できる支援がないか尋ねてみましょう。制度名では見つからなくても、困っていることを伝えると相談先や支援の選択肢を確認できます。

まとめ|家族だけで抱え込む前に、地域の窓口へ

高齢の親の見守りは、家族の連絡や訪問に加えて、地域の支援を組み合わせて考えることができます。

自治体によって支援の内容や条件は異なるため、まずは親が住む地域の窓口で確認することが大切です。

「まだ介護というほどではないけれど、少し心配」。そんな段階から、今の暮らしを支える方法を相談してみてはいかがでしょうか。

参考・公式情報

おすすめ関連記事

タイトルとURLをコピーしました