
「病院ではマイナンバーカードを使っているけれど、介護保険でも使うようになるの?」
「親の介護保険証は、これからどう扱えばいいの?」
介護に関わる情報を電子的に確認・共有する「介護情報基盤」の整備が進んでいます。マイナンバーカードを使って、介護事業所が介護保険の資格情報などを確認する仕組みも、その一つです。
ただし、全国で一斉に切り替わるわけではありません。マイナンバーカードを持っていない場合の確認方法も用意されています。
この記事では、介護情報基盤の仕組みと、利用者や家族が知っておきたいポイントをやさしく解説します。
※2026年10月8日時点で確認した厚生労働省などの公式情報をもとにしています。利用開始時期や手続きは、お住まいの市区町村・利用先にご確認ください。
「介護情報基盤」って何?
介護情報基盤とは、市区町村や介護事業所などで管理されている介護の情報を、電子的に確認・共有するための仕組みです。
対象には、介護保険証に記載される情報や要介護認定の情報などがあります。
これまで紙の書類や電話で確認していた情報を、関係者が必要な範囲で確認しやすくすることが目的です。
「介護に必要な情報を、関係する窓口や事業所につなぐ仕組み」と考えると、イメージしやすいでしょう。
いつから使えるの?地域によって開始時期が違います
厚生労働省は、2026年4月1日以降、準備が完了した市町村から順次、情報共有を開始する方針を示しています。
2028年4月1日までに、全市町村で活用を開始することを目指しています。
そのため、「2026年4月から、どの地域・どの事業所でも同じように使える」という意味ではありません。
家族が確認する場合は、市区町村の介護保険担当窓口や利用中の事業所に、次のように聞いてみましょう。
- 「介護情報基盤に対応していますか?」
- 「マイナンバーカードを使う場合、何を準備すればよいですか?」
介護保険でマイナンバーカードを使うと、何ができる?
対応する介護事業所では、マイナンバーカードを読み取り、介護保険の被保険者情報などを電子的に確認する方法が用意されています。
このカードによる確認は、マイナンバーカードの健康保険証利用登録と関係しています。
厚生労働省の資料では、健康保険証利用登録をしている人は、お住まいの自治体で介護情報基盤の利用準備が整った後、原則として別の手続きなしで介護保険証としても利用できる仕組みが示されています。
ただし、登録を解除した場合などには別の対応が必要になることがあります。
カードを持っているだけで、どこでも使えると考えず、自治体と利用先の案内を確認しましょう。
マイナンバーカードを持っていないと、介護サービスを受けられない?
カードを持っていないことだけを理由に、介護サービスを受けられなくなるわけではありません。
介護事業所が情報を確認する際には、マイナンバーカードの読み取りのほか、介護保険被保険者証の情報を入力して確認する方法も用意されています。
親御さんがカードを持っていない場合や、カードの利用に不安がある場合は、利用先に「介護保険証で確認できますか」と相談してみてください。
今ある介護保険証は、自己判断で捨てないでください
厚生労働省の2026年7月の説明会資料では、紙の介護保険被保険者証について、これまでの運用は変わらないと説明されています。
「電子化が始まったから、もう紙は不要」と考えて処分せず、手元の介護保険証や負担割合証などは、自治体の案内に従って保管しましょう。
マイナポータルでも介護の情報を確認できるように
利用者本人が、マイナポータルを通じて自分の介護情報を確認する仕組みも進められています。
厚生労働省の案内では、介護保険証情報のほか、認定審査の進み具合や住宅改修費の利用情報なども、確認できる情報として示されています。
ただし、同省の2026年5月の案内には、「2026年4月1日時点では、マイナポータルからの介護保険証情報の閲覧のみが可能」との注記があります。紹介されている情報が、現在すべて表示されるとは限りません。
表示されないときは、すぐに操作ミスと決めつけず、地域の対応状況や現在利用できる機能を確認しましょう。
家族なら、親の情報を自由に見られるの?
家族というだけで、本人の情報を自動的に閲覧できるわけではありません。
マイナポータルには代理人を設定する仕組みがあります。家族が代わりに確認したい場合は、公式案内で、利用できるサービス・情報の範囲と必要な設定を確認してください。
親御さんが操作を難しく感じている場合は、ご本人の意向を確かめながら、窓口やケアマネジャーにも相談して進めましょう。
介護の情報は、誰でも見られるわけではありません
介護の情報には、本人の生活や健康に関わる大切な内容が含まれます。
介護情報基盤では、介護事業所による情報閲覧に関わる本人の同意確認が設けられています。本人の同意が必要な情報については、同意がないと介護情報基盤経由で閲覧できません。
また、サービスの種類や職員の職種などに応じ、閲覧できる情報の範囲を制御する仕組みも示されています。
同意の説明を受けた際は、次の点を確認しておくと安心です。
- 何のために情報を使うのか
- どのような情報を共有するのか
- 分からないことは誰に聞けばよいか
家族が今、確認しておきたい3つのこと
① 住んでいる地域と利用先の対応状況
まずは、市区町村の介護保険担当窓口や利用先に、対応状況を確認しましょう。
自治体で運用が始まっていても、実際の利用方法については事業所への確認が必要です。
② カードの利用登録と、必要な持ち物
カードを使う場合は、健康保険証利用登録の状況や必要な持ち物を、利用先に確認しましょう。
今ある介護保険証などの書類も、自己判断で処分しないようにしてください。
③ 本人の希望と、家族の支援方法
カードの管理や情報確認について、ご本人がどのような支援を望むか話しておきましょう。
すべてを一度に覚える必要はありません。まずは「うちの地域では、どうなっていますか」と相談するところからで大丈夫です。
よくある質問
カードがあれば、要介護認定の申請や更新は不要になりますか?
カードによる資格確認と、要介護認定の手続きは別のものです。
カードがあるだけで認定の申請・更新が済むわけではないため、自治体からの案内を確認しましょう。
マイナポータルを使えない親は、どうすればよいですか?
情報の確認方法や必要な手続きについて、自治体の介護保険担当窓口やケアマネジャーに相談してください。
家族が支援する場合も、ご本人の意向を確かめながら進めましょう。
まとめ|まずは地域の対応状況を確認しましょう
介護保険でも、マイナンバーカードを活用して情報を確認する仕組みが進んでいます。
ただし、利用開始時期は地域によって異なり、カード以外の確認方法も用意されています。
家族は、今ある書類を大切に保管しながら、自治体や利用先の案内を確認していきましょう。
分からないことを一つずつ相談して、ご本人に合う方法を選んでいくことが大切です。
参考資料
- 厚生労働省:介護情報基盤について
- 厚生労働省:令和8年度第1回 介護情報基盤に係る自治体説明会資料(PDF)
- 厚生労働省:みんなで支える、これからの介護へ「介護情報基盤」がつくる未来
- マイナポータル:家族の情報を見る方法


