要介護4とはどんな状態?できること・できないことと現実の生活をわかりやすく解説

要介護4の生活支援

親が要介護4と認定されると、「どのくらい介護が必要になるの?」「自宅で介護を続けられる?」と不安になる方も多いでしょう。

要介護4は、立ち上がりや移動、排せつ、入浴など、日常生活の多くの場面で介護が必要となる状態の目安です。ただし、同じ要介護4でも、本人ができることや必要な介助には個人差があります。

在宅生活を続ける場合は、家族だけで支えるのではなく、訪問介護や訪問看護、ショートステイ、福祉用具などを組み合わせることが重要です。

この記事では、要介護4の状態の目安、できること・支援が必要なこと、在宅介護を続ける条件、利用できるサービスや施設についてわかりやすく解説します。

要介護4とはどのような状態?

要介護4は、日常生活動作と、買い物や服薬管理などの手段的日常生活動作が大きく低下し、多くの場面で全面的な介護が必要となる状態の目安です。

たとえば、次のような場面で介助が必要になることがあります。

  • ベッドやいすからの立ち上がり、移乗
  • 排せつ、入浴、着替え
  • 室内の移動や外出
  • 食事の準備や服薬の管理
  • 体の状態によっては、食事や水分摂取の見守り・介助

ただし、要介護4でも、支えがあれば立ち上がれる方、自分で食事ができる方、会話や意思表示ができる方もいます。必要な介助の内容は、要介護度だけでなく、本人の身体機能や認知機能、病気の状態によって異なります。

要介護3と要介護4の違い

要介護3では日常生活の多くの場面で介護が必要となり、要介護4では、その介護にかかる手間がさらに増える傾向があります。

たとえば、これまでは支えがあればできていた立ち上がりや移動に、より多くの介助が必要になったり、排せつや着替えを一人で行うことが難しくなったりする場合があります。

ただし、要介護3と要介護4の違いを「歩ける・歩けない」「認知症が軽い・重い」と一律に分けることはできません。要介護認定では、本人の病名だけでなく、介護に必要な手間などを総合的に判断します。

要介護3の状態については、こちらの記事で詳しく解説しています。

👉要介護3とはどんな状態?できること・支援が必要なことを解説


要介護4でできること・支援が必要なこと

要介護4でも、本人が自分でできることは残されています。安全を確保しながら、本人の力や希望を生かすことが大切です。

本人ができる場合があること

  • 言葉や表情、動作で希望を伝える
  • 準備された食事を自分で食べる
  • 支えや介助があれば立ち上がる
  • 車いすなどを使って離床や外出をする

介助が必要になりやすいこと

  • ベッドや車いすへの移乗
  • 排せつ、入浴、着替え
  • 体位の調整や皮膚の清潔保持
  • 調理、掃除、洗濯などの家事
  • 服薬や金銭の管理

「要介護4だから何もできない」と考えるのではなく、その日の体調も見ながら、本人ができる部分と介助が必要な部分を確認しましょう。

体調の変化と安全面で注意したいこと

要介護4の方は、動く機会が少なくなったり、食事や水分摂取に支援が必要になったりすることがあります。次のような変化が見られた場合は、介護職や医療職へ相談しましょう。

  • 皮膚の赤みや傷が続いている
  • 食事中のむせやせきが増えた
  • 食事量や水分量が減っている
  • 発熱、息苦しさ、強いだるさがある
  • 急に反応が鈍くなった、会話がかみ合わなくなった

食事中のむせや皮膚の赤みがあるからといって、自己判断で食事形態や介助方法を大きく変えるのは避けましょう。主治医、訪問看護師、ケアマネジャーなどに相談し、本人の状態に合った対応を確認することが大切です。

なお、要介護4でも認知症がない方はいます。普段と違う混乱や反応の変化が急に現れた場合は、認知症の進行と決めつけず、体調不良や薬の影響なども考えて医療機関へ相談してください。

要介護4で利用できる主な介護サービス

要介護4の在宅生活では、日中だけでなく、朝夕や夜間にも介助が必要になる場合があります。本人の状態と家族が対応できる時間を確認し、複数のサービスを組み合わせることが大切です。

  • 訪問介護:排せつ、着替え、食事などの身体介護や、日常生活に必要な生活援助
  • 訪問看護:主治医の指示に基づく健康管理や医療的ケア
  • 訪問入浴介護:自宅での入浴が難しい方に、専用の浴槽を使って入浴を支援する
  • 通所介護(デイサービス):食事や入浴、機能訓練、日中の見守り
  • 短期入所生活介護(ショートステイ):短期間施設で過ごし、家族の休息や不在時の介護につなげる
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護:地域や本人の状態に応じて、短時間の定期訪問や緊急時の対応を受ける

利用できるサービスは地域や事業所の状況によって異なります。ケアマネジャーに、夜間を含めた一日の介助内容と家族の負担を具体的に伝え、ケアプランを調整してもらいましょう。

要介護4で利用できる介護保険の上限

要介護4の区分支給限度基準額は、1か月あたり30,938単位です。

これは約31万円が現金で支給されるという意味ではありません。在宅の介護サービスを介護保険の対象として利用できる上限の目安です。

限度額の範囲内で介護サービスを利用した場合、本人の負担割合は原則1割から3割です。1単位あたりの金額は地域やサービスによって異なり、限度額を超えた分は原則として全額自己負担になります。

また、次のような費用は別にかかる場合があります。

  • デイサービスやショートステイの食費
  • ショートステイの滞在費
  • 紙おむつや日用品などの費用
  • 介護保険の対象外となるサービスの費用

実際の月額は、利用するサービスや回数、負担割合によって大きく異なります。ケアマネジャーに月ごとの見込みを作成してもらい、家計に無理のないケアプランを検討しましょう。

要介護4の在宅介護を続けるために必要なこと

要介護4でも、本人の状態や支援体制によっては在宅生活を続けられる場合があります。ただし、家族だけで長時間の介護を担うのは負担が大きく、継続できる体制を先に整えることが必要です。

介助を一人で抱え込まない

移乗や排せつなどの介助を無理な姿勢で行うと、本人の転倒だけでなく、家族が腰や膝を痛める原因にもなります。訪問介護や福祉用具を利用し、安全な介助方法を専門職に確認しましょう。

夜間の介護体制を確認する

夜間の排せつや体位調整、急な体調変化への対応が続くと、家族が十分に眠れなくなることがあります。夜間も利用できる地域サービスやショートステイについて、早めにケアマネジャーへ相談してください。

医療との連絡方法を決めておく

発熱や食事量の低下、呼吸状態の変化などが起きた場合に、どこへ連絡するかを決めておきます。主治医、訪問看護、ケアマネジャー、家族の連絡先を一つにまとめておくと安心です。

家族が休める時間を確保する

介護する家族の体調や生活も、在宅介護を続けられるか判断する大切な要素です。疲れ切ってからではなく、デイサービスやショートステイなどを利用し、定期的に休める時間を確保しましょう。

要介護4の生活を支える福祉用具

福祉用具は、本人の動作を助けるだけでなく、介助する家族の負担を減らすためにも役立ちます。

福祉用具主な役割
介護ベッド起き上がりや介助しやすい高さへの調整
車いす室内外の移動を支える
手すり立ち上がりや移動を支える
床ずれ防止用具体にかかる圧力の偏りを減らす
移動用リフトベッドと車いす間などの移乗を支える
ポータブルトイレトイレまでの移動が難しい場合に利用する

介護ベッド、車いす、手すり、床ずれ防止用具などは、条件に応じて介護保険の福祉用具貸与を利用できます。一方、ポータブルトイレは、原則として特定福祉用具販売の対象です。

本人の体格や動作、部屋の広さに合わない用具は、かえって転倒や介助の負担につながることがあります。購入やレンタルの前に、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談しましょう。

実際に介護で役立った福祉用具

私が介護を経験した中では、ポータブルトイレと据え置き型の手すりが役立ちました。

ベッドの近くに置けるポータブルトイレ

夜間にトイレまで移動することが難しい場合、ベッドの近くにポータブルトイレを置くことで、本人と介助者の移動負担を減らせることがあります。

ただし、立ち上がり方や設置場所によっては転倒の危険もあります。高さや手すりの有無、処理や清掃の方法まで確認して選ぶことが大切です。

立ち上がりを支える据え置き型の手すり

私の介護経験では、必要な場所へ置ける据え置き型の手すりが、立ち上がりや移動の支えになりました。

ただし、軽さだけで選ぶと使用中に動く可能性があります。本人が力をかける方向や床の状態も含めて、福祉用具専門相談員に設置場所を確認してもらうと安心です。

要介護4で施設を検討するタイミング

要介護4だから必ず施設へ入る必要があるわけではありません。一方で、介護サービスを利用しても在宅生活の安全を保てない場合は、施設への入居も現実的な選択肢になります。

次のような状況が重なっているときは、早めに相談を始めましょう。

  • 夜間も繰り返し介助が必要で、家族が眠れない
  • 移乗や排せつ介助を家族だけで安全に行えない
  • 食事や医療的ケアへの対応が在宅では難しい
  • 介護する家族の心身に不調が出ている
  • 本人が在宅生活に不安や苦痛を感じている

主な選択肢には、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、介護医療院などがあります。介護老人保健施設は、リハビリテーションや必要な医療・介護を受けながら、在宅復帰を目指す施設です。

必要な医療、費用、居室、面会、看取りへの対応などを確認し、本人と家族が納得できる場所を検討しましょう。

よくある質問

Q1. 要介護4でも自宅で介護できますか?

A. 本人の状態や住環境、家族の介護力、利用できるサービスによっては可能です。ただし、家族だけで支えようとせず、夜間や緊急時を含めた介護体制を整える必要があります。

Q2. 要介護4になると認知症も重くなりますか?

A. 要介護度と認知症の程度は同じものではありません。要介護4でも認知症がない方はいます。身体機能と認知機能をそれぞれ確認し、必要な支援を考えます。

Q3. 要介護4ではどの福祉用具を選べばよいですか?

A. 介護ベッド、車いす、手すりなどが候補になりますが、必要な用具は本人の状態や住環境によって異なります。自己判断で購入せず、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談しましょう。

Q4. 在宅介護が限界かどうか、誰に相談すればよいですか?

A. まずは担当のケアマネジャーへ、夜間の介助、家族の睡眠不足、体調、医療的ケアへの不安などを具体的に伝えてください。施設を含めて相談したい場合は、地域包括支援センターも利用できます。

まとめ

要介護4は、移動や排せつ、入浴など、日常生活の多くの場面で介護が必要となる状態の目安です。ただし、本人ができることや必要な介助には個人差があります。

在宅生活を続ける場合は、訪問介護や訪問看護、ショートステイ、福祉用具などを組み合わせ、家族だけで介護を抱え込まない体制を整えることが大切です。

在宅で安全を保つことが難しい場合や、家族の負担を続けられない場合は、施設への入居も含めて住まいを見直しましょう。

本人の希望と家族の生活の両方を大切にしながら、ケアマネジャーや医療・介護の専門職と一緒に、無理なく続けられる方法を考えていきましょう。

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