
「要介護3と要介護4では、どのくらい状態が違うの?」
「要介護4になると、家族の介護はどのくらい増えるの?」
家族が要介護認定を受けたり、認定の更新で区分が変わったりすると、日常生活や介護の負担がどう変わるのか気になる方もいるでしょう。
要介護3と要介護4は、どちらも日常生活のさまざまな場面で介助が必要な状態です。要介護4では、要介護3より介助が必要な場面が広がり、生活全般で支援を受けることが多くなります。ただし、同じ要介護度でも、できることや必要な介助は人によって異なります。
この記事では、要介護3と要介護4の状態の目安や、介護保険サービスの利用枠、費用の違いを家族向けにわかりやすく解説します。
要介護3では、立ち上がりや歩行が難しく、排泄・入浴・着替えなどに介助が必要になることがあります。
要介護4では、介助が必要な場面がさらに広がり、起き上がりや、ベッドから車いすへ移る動作なども含め、日常生活の多くを介護者に支えてもらう状態が目安です。
ただし、要介護度だけで本人の状態が一律に決まるわけではありません。できる動作や必要な介助は、一人ひとり異なります。
要介護3と要介護4の違いを一覧で比較
要介護3と要介護4では、日常生活で介助が必要になる場面や、在宅サービスを利用するときの上限に違いがあります。
| 比べるところ | 要介護3の目安 | 要介護4の目安 |
|---|---|---|
| 日常生活の様子 | 立ち上がりや歩行が難しく、排泄・入浴・着替えなどに介助が必要になることがある | 自分で行うのが難しい動作がさらに増え、生活全般で介助が必要になることが多い |
| 介助が必要な場面 | 移動や身の回りのことなど、いくつもの場面で手助けが必要 | 起き上がりやベッドから車いすへの移動なども含め、より多くの場面で手助けが必要になることがある |
| 在宅サービスの利用上限 | 月27,048単位 (1単位10円で計算した場合、約27万480円相当) | 月30,938単位 (1単位10円で計算した場合、約30万9,380円相当) |
表の生活の様子は、あくまで目安です。要介護3でも多くの介助が必要な方はいますし、要介護4でも自分でできる動作が残っている方もいます。
在宅サービスの利用上限は、要介護4のほうが月3,890単位多く設定されています。ただし、これは介護保険で使えるサービス費用の上限で、本人にその金額が支給されるわけではありません。実際の費用は、利用するサービスや地域によって異なります。
要介護3ではどんな介助が必要になる?
要介護3では、立ち上がりや歩行などが一人では難しくなり、排泄・入浴・着替えといった身の回りの動作にも介助が必要になることがあります。
たとえば、トイレまでの移動を支えてもらう、入浴時に体を洗うのを手伝ってもらう、服の着脱を介助してもらうなどです。動作によっては本人だけで行える場合もあれば、ほぼ全面的な介助が必要な場合もあります。
そのため、「要介護3なら一人で歩ける」「排泄は必ず全介助」などと、要介護度だけで判断することはできません。本人がどの動作をどこまで行えるかを確認することが大切です。
要介護4では介助が必要な場面が広がることが多い
要介護4では、排泄・入浴・着替えなどに加えて、起き上がりや移乗など、日常生活のより多くの場面で介助が必要になることがあります。
たとえば、ベッドから起き上がるときに体を支えてもらう、ベッドから車いすへ移るときに手伝ってもらう、日中の移動や身の回りの動作をその都度介助してもらうなどです。食事や排泄のときに見守りや介助が必要になる方もいます。
ただし、要介護4になったからといって、必ず寝たきりになるわけではありません。歩行や食事など、自分でできる動作がある方もいます。どの動作にどの程度の介助が必要かは、本人の身体の状態や認知症の症状などによって異なります。
要介護3から4になると、家族の介護負担も増える?
要介護4では介助が必要な場面が増えることがあるため、家族の介護負担も大きくなる場合があります。特に、移動や移乗、排泄、入浴などの介助が増えると、家族だけで対応するのが難しくなることもあります。
また、身体を支える介助だけでなく、認知症の症状による見守りが必要な場合もあります。夜間に何度も起きる、外へ出ようとする、薬の管理が難しいなど、家族が困っていることはケアマネジャーに具体的に伝えましょう。
要介護度が変わったときは、認定区分だけで判断せず、次のような点を整理しておくと、必要な支援を相談しやすくなります。
- 一人でできなくなった動作や、介助が増えた動作
- 介助や見守りが必要になる時間帯や回数
- 家族が負担に感じている介助
- 夜間の見守りや、急な対応が必要かどうか
介護保険で利用できるサービスに違いはある?
要介護3と要介護4で、利用できるサービスの種類が大きく分かれるわけではありません。訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具のレンタルなど、本人の状態や生活に合わせて組み合わせます。
違いが出るのは、主に在宅サービスを利用するときの支給限度額です。要介護4のほうが限度額は高く、必要に応じてサービスを増やせる場合があります。
ただし、限度額が増えても、利用するサービスや回数が自動的に増えるわけではありません。本人の希望や家族の介護状況、事業所の利用条件などを確認しながら、ケアマネジャーとケアプランを見直します。
支給限度額を超えた分は全額自己負担
介護保険の在宅サービスは、要介護度ごとに1か月あたりの利用上限が定められています。上限の範囲内で利用したサービスには、所得に応じて原則1割、一定以上の所得がある場合は2割または3割の自己負担が生じます。
上限を超えてサービスを利用した場合、超えた分は介護保険の給付対象外となり、全額自己負担になります。利用するサービスや費用については、事前にケアマネジャーへ確認しましょう。
要介護4になると介護費用は必ず高くなる?
要介護4になると、利用するサービスによっては、要介護3のときよりサービス費用が高くなることがあります。しかし、実際の自己負担額が必ず大きく増えるとは限りません。
自己負担額は、利用したサービスの種類や回数、負担割合、住んでいる地域などによって変わります。サービスの利用が少なければ、要介護4になっても支出が大きく増えないことがあります。
表に記載した金額は、支給限度額を1単位10円として単純に換算したサービス費用の目安です。地域やサービスによって1単位あたりの金額は異なります。また、この金額がそのまま自己負担になるわけではありません。
施設に入所する場合は、介護サービス費のほかに居住費や食費、日用品費などがかかることがあります。月々の負担を確認するときは、介護サービス費以外の費用も含めて考えましょう。
特別養護老人ホームの入所条件は要介護3も4も同じ?
特別養護老人ホーム(特養)は、原則として要介護3以上の方が新たに入所する対象です。そのため、要介護3と要介護4は、要介護度の条件を満たしています。要介護1・2の方も、やむを得ない事情がある場合には特例として入所が認められることがあります。
ただし、要介護3以上であれば必ず入所できるわけではありません。本人の心身の状態や介護者の状況、在宅生活の困難さ、施設の空き状況などを踏まえて入所が検討されます。申し込み方法や優先順位については、自治体や施設に確認しましょう。
要介護3と要介護4の違いについてよくある質問
要介護4は寝たきりの状態ですか?
要介護4だから必ず寝たきり、ということではありません。要介護度が同じでも、歩行や食事など自分でできる動作は人によって異なります。
要介護3と4では、使えるサービスの種類が違いますか?
利用できるサービスの種類が、要介護3と4で一律に分かれるわけではありません。本人の状態やケアプランに応じてサービスを組み合わせます。在宅サービスの支給限度額は、要介護4のほうが高く設定されています。
要介護4になると自己負担額も必ず増えますか?
必ず増えるとは限りません。自己負担額は、利用したサービスの種類や回数、負担割合などで変わります。サービス内容を変更する前に、ケアマネジャーへ費用の目安を確認しましょう。
まとめ|要介護4では介助が必要な場面が広がることが多い
要介護3では、立ち上がりや歩行、排泄・入浴・着替えなどに介助が必要になることがあります。要介護4では、さらに多くの動作で介助が必要になり、日常生活の広い範囲で支援を受けることが目安です。
ただし、要介護度だけで本人の状態が一律に決まるわけではありません。できることや困っていること、家族の介護負担をケアマネジャーに伝え、本人と家族に合った支援を相談しましょう。

