
「介護が必要そうなのに、認定されなかった…」
「こんなに困っているのに“非該当”と言われた…」
このように、要介護認定の結果に納得できないという声は少なくありません。
家族としては明らかに支援が必要に見えても、審査の結果「非該当」と判断されることもあります。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
この記事では、要介護認定が通らない主な理由や非該当になるケース、そしてその後の対処法まで、初めての方にもわかりやすく解説します。
要介護認定とは?
要介護認定とは、介護保険サービスを利用するために必要な手続きです。
市区町村に申請すると、訪問調査や主治医意見書をもとに審査が行われ、次のいずれかに判定されます。
- 非該当(自立)
- 要支援1・2
- 要介護1〜5
このうち、非該当になると介護保険サービスは利用できません。
要介護認定が通らない主な理由
① 日常生活が「自立できている」と判断された
要介護認定は、「どれくらい介助が必要か」で判断されます。
そのため
- 一人で歩ける
- 食事が自分でできる
- トイレが自立している
などの場合は、介護の必要度が低いと判断されることがあります。
実際には危なっかしくても、調査時にうまくできてしまうと「問題なし」と見られることもあります。
② 調査時に“普段より良い状態”だった
訪問調査は1回の面談で行われます。
そのため
- たまたま体調が良かった
- 頑張ってしまった
- 家族がサポートしていた
などにより、実際より良い状態で評価されてしまうことがあります。
特に高齢者は「迷惑をかけたくない」という思いから、できることを強くアピールしてしまうケースも多いです。
③ 認知症の症状が伝わっていない
認知症の場合、身体は元気なことも多く、見た目だけでは判断しにくい特徴があります。
例えば
- 同じことを何度も聞く
- 火の消し忘れ
- 薬の飲み忘れ
- 徘徊
こうした症状は、短時間の調査では見えにくいことがあります。
そのため、実際には支援が必要でも、認定に反映されないケースがあります。
④ 主治医意見書の内容が軽い
認定は
- 訪問調査
- 主治医意見書
の両方で判断されます。
もし主治医意見書に
- 生活への支障があまり書かれていない
- 軽度と判断されている
場合、全体として「軽い」と評価される可能性があります。
⑤ 介護の“困りごと”が具体的に伝わっていない
要介護認定では、「どれくらい困っているか」が重要です。
例えば
- 転びそうで危ない
- 一人では入浴できない
- 食事の準備ができない
といった具体的な状況が伝わっていないと、必要性が低く見られることがあります。
非該当になりやすいケース
次のようなケースは、非該当になることがあります。
- 身体機能が比較的しっかりしている
- 軽度の物忘れのみ
- 家族が全面的にサポートしている
- 日常生活が一応できている
つまり、「できているように見える」状態だと、認定されにくい傾向があります。
要介護認定が通らなかったときの対処法
① 再申請(区分変更申請)をする
認定結果に納得できない場合は、再申請することが可能です。
特に
- 状態が悪化した
- 前回の調査が正しく反映されていない
場合は、再度申請することで結果が変わることもあります。
② 不服申し立てをする
正式には「審査請求」という制度があります。
ただし、手続きがやや複雑なため、まずは再申請を検討する方が一般的です。
③ 地域包括支援センターに相談する
非該当でも、支援が全く受けられないわけではありません。
地域包括支援センターでは
- 生活支援サービス
- 介護予防サービス
- 地域の見守り制度
などを紹介してもらえます。
④ 民間サービスを利用する
介護保険が使えない場合でも
- 家事代行
- 見守りサービス
- 配食サービス
などを利用することで、生活の負担を軽減できます。
認定を受けるために大切なポイント
正直に「できないこと」を伝える
遠慮してしまうと、正しい評価がされません。
- 一人では危険
- 実際はできていない
- 家族の負担が大きい
こうした点は、しっかり伝えることが大切です。
家族が同席する
本人だけだと、正確な状況が伝わらないことがあります。
家族が同席して、日常の困りごとを補足することで、より実態に近い評価につながります。
事前にメモを準備する
調査前に
- 困っていること
- できないこと
- 危険な場面
を書き出しておくと、伝え忘れを防げます。
よくある質問(Q&A)
要介護認定については、初めての方ほど不安や疑問を感じやすいものです。ここでは、実際によく寄せられる質問とその答えをまとめました。気になる点があれば、ぜひ参考にしてください。
Q. 要介護認定が通らないのはなぜですか?
日常生活が自立していると判断された場合や、調査時に実際より良い状態で評価された場合などが主な理由です。また、認知症の症状が十分に伝わっていないケースもあります。
Q. 非該当になると介護サービスは使えませんか?
介護保険サービスは利用できませんが、地域包括支援センターを通じて生活支援サービスや介護予防サービスを利用できる場合があります。
Q. 要介護認定に納得できない場合はどうすればいいですか?
再申請(区分変更申請)を行うことができます。状態が変わった場合や、調査内容に不安がある場合は再度申請することで結果が変わることもあります。
Q. 認定を受けるために気をつけることはありますか?
できないことや困っていることを正直に伝えることが大切です。家族が同席したり、事前に困りごとをメモしておくと、より正確な評価につながります。
Q. 認知症でも認定されないことはありますか?
はい、あります。認知症は見た目では分かりにくいため、短時間の調査では症状が反映されないことがあります。具体的な困りごとをしっかり伝えることが重要です。
まとめ
要介護認定が通らない理由は、必ずしも「支援が必要ないから」とは限りません。
- 状態が正しく伝わっていない
- 一時的に良い状態だった
- 困りごとが具体的に伝わっていない
といった理由で、非該当になることもあります。
しかし、結果に納得できない場合は
- 再申請
- 相談
- 別サービスの利用
など、対応できる方法があります。
介護は一人で抱え込むものではありません。
制度を正しく理解し、必要な支援につなげていくことが大切です。

