「ケアマネさんが担当になりますね」
―介護の現場でよく耳にする言葉ですが、正直なところ「何をしてくれる人なのかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
実はケアマネジャー(通称ケアマネ)は、介護保険サービスを受けるうえで絶対に必要な“橋渡し役”なんです。
この記事では、ケアマネの役割から選び方、合わないと感じたときの変更方法まで、わかりやすく解説していきます。
ケアマネージャーとは?
ケアマネジャー=介護の相談役 + サービスの調整役です。
- 本人や家族の希望を聞いて
- どんな介護サービスが必要かを考えて
- 「ケアプラン(介護計画)」を作り
- 実際にサービス事業所と連携して調整
つまり、介護生活をスムーズに送るための司令塔のような存在です。
具体的にケアマネがしてくれること
業務内容 | 具体例 |
---|---|
ケアプランの作成 | 「週2回デイサービス」「毎朝ヘルパー訪問」などのスケジュールを設計 |
介護サービス事業所との調整 | 事業所選び、サービス開始日の設定、変更の手続きなど |
介護保険の手続き代行 | 区役所への申請・更新手続きなどをサポート |
定期訪問と状況把握 | 1か月に1回は自宅訪問し、本人の状態や介護内容の見直し |
緊急時の対応 | 転倒・入院などがあったときのサービス見直し |
ケアマネはどこにいるの?(どこに属してるの?)
ケアマネは以下のような施設や事業所に所属しています。

- 居宅介護支援事業所(最も一般的)
- 特別養護老人ホームや有料老人ホーム
- 地域包括支援センター(要支援の人の担当)
基本的には、要介護認定が下りたあと、市区町村や包括センターが紹介してくれます。
ケアマネは選べるの?合わなかったらどうするの?
実はケアマネジャーは自由に選べますし、変更もできます。
「話が合わない」「連絡が遅い」「相談しにくい」と感じたら、我慢せず、
別の事業所に相談して変更するのはまったく問題ありません。
ただし、変更は介護サービスに一時的な空白が生まれる可能性もあるため、
「次のケアマネを決めてから」変更するようにしましょう。
包括センターに相談してからケアマネが来るまで
一般的な流れと準備のポイント
「親が転びやすくなってきた」
「介護サービスを受けたいけど何から始めたらいいの?」
そんなとき、まず相談するのが地域包括支援センターです。
でも、そのあとの流れが「よくわからない…」という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、包括センター相談後からケアマネジャーが訪問するまでの一連の流れを解説します。
1. 地域包括支援センターに相談(電話 or 窓口)
まずは、地域の包括センターに電話または訪問して、現状の悩みを伝えます。
たとえば
- 最近親が転倒した/つまずきやすくなった
- 一人暮らしで心配/生活の様子が不安
- 手すりをつけたいけど、補助が使えるの?など
この時点で、まだ要介護認定を受けていない人が多いですが、それで問題ありません。
2. 状況の聞き取りとアドバイス
包括センターの担当者(保健師・社会福祉士など)が、電話や面談で状況を詳しくヒアリングします。
必要があれば、自宅訪問を提案されることもあります。
3. 要介護認定の申請手続きの案内
相談内容を踏まえ、「介護保険サービスを使うには、まず認定が必要です」と案内されます。
申請は市区町村の窓口ですが、多くの場合包括センターが代行してくれます。
4. 調査日程の連絡 → 自宅訪問による「認定調査」
申請後、およそ1週間以内に市区町村の認定調査員(または委託業者)が自宅に訪問します。
ここで本人の心身の状態をチェック(歩行、食事、排泄など)します。
※この調査は“ケアマネ”ではなく、認定調査専門の職員が行います。
5. 主治医の意見書が提出される(医師に自動で依頼)
調査と並行して、主治医の意見書も必要です。
これは本人のかかりつけ医に市区町村が依頼し、本人が何かする必要は基本ありません。
6. 認定結果の通知(およそ30日以内)
「要支援」「要介護」などの結果が市区町村から通知されます。
この通知を受け取って、初めてケアマネジャーとの本格的なやりとりが始まります。
7.ケアマネジャーの決定 → 自宅訪問
認定が出たら、市区町村や包括センターが居宅介護支援事業所を紹介してくれます。
この事業所に所属するケアマネジャーが、実際に家を訪問し、話を聞いてくれます。
この訪問では
- 本人の生活状況、希望、困りごとを確認
- 家の構造(手すりが必要か?段差は?など)をチェック
- どんなサービスを利用したいか相談
などの話を聞かれます。

うちの親は、人前だと妙に元気ぶって見せるので、終始ハラハラしていました。
8. ケアプランの作成 → サービス開始へ
ケアマネは、訪問内容をもとに「ケアプラン(介護計画)」を作成します。
ご本人やご家族が納得すれば、サービス事業所(訪問介護やデイサービスなど)との契約が始まり、実際の支援がスタートします。
不安な時は「なんでも聞きましょう」
ケアマネが来るまでには、実は市や包括センター、調査員、医師など複数の関係者が動いています。
でも、初めての人にとっては「どこまでが誰の仕事か?」がわからないのが普通です。
だからこそ、「誰に何を聞いたらいいか分からない…」と思ったら、まずは包括センターで相談してみましょう。
まとめ
ケアマネジャーは介護生活における信頼できるパートナーです。
ですが、「何でも任せていい」と思うのではなく、
自分たちの希望や不安をしっかり伝えることが、良い関係の第一歩です。
不安があれば、包括支援センターや別のケアマネに相談してみましょう。