親の介護をはじめて経験する際、
「自宅で介護するべきか?」
「施設にお願いするべきか?」
と悩む方はとても多いです。
そのときによく耳にするのが
「特養(特別養護老人ホーム)」と「老健(介護老人保健施設)」という言葉ではないでしょうか。
どちらも高齢者のための施設ですが、
実は目的や利用期間、受けられるサービスには大きな違いがあります。
この記事では、特養と老健の違いをわかりやすく解説し、施設選びの参考になるポイントもご紹介します。
特養(特別養護老人ホーム)とは?

特養は、長期的に生活することを目的とした施設です。医療ケアについては最低限の対応が中心で、重い医療処置が必要な場合は入居が難しいこともあります。
主に、要介護3以上の高齢者が対象となり、食事・入浴・排泄などの日常生活の介助を受けながら生活します。
● 要介護1〜5の違い(簡単な目安)
特養は原則「要介護3以上」が対象となるため、要介護度の違いも知っておくと施設選びの参考になります。
| 介護度 | 状態の目安 |
|---|---|
| 要介護1 | 立ち上がりや歩行が不安定で、部分的な介助が必要 |
| 要介護2 | 日常生活において介助が必要な場面が増える |
| 要介護3 | 食事・入浴・排泄などに全面的な介助が必要 |
| 要介護4 | ほぼ日常生活全般で介助が必要 |
| 要介護5 | 寝たきりに近い状態で、常時介護が必要 |
※特養は原則として要介護3以上が入所対象となっていますが、要介護1・2の方でも、特別な事情がある場合は特養に入所できるケースがあります。
詳しくはケアマネジャーや市区町村の窓口に確認しましょう。
特徴
- 介護が重度でも、長期間入居できる
- 費用が比較的安い(介護保険の対象)
- 入居待機者が多く、すぐに入れないことが多い
- 医療体制は最低限(常駐の医師がいない施設も)
老健(介護老人保健施設)とは?

老健は、在宅復帰を目指すための中間的な施設です。
病院での治療を終えた方や、一時的に自宅での生活が難しくなった方が入所し、リハビリや医療ケアを受けながら回復を目指す施設です。
特徴
- 医師が配置されており、看護師・リハビリスタッフによる医療ケアやリハビリを受けられる
- 原則3~6か月の短期入所(更新も可能)
- 要介護1以上で入所可能
- 在宅復帰が基本方針
▪️グループホームの詳しい説明はこちら↓
「グループホーム」は2種類・認知症と障害者向けの違いをくわしく解説します
特養と老健の違いを表で比較
以下の表に、主な違いをまとめました。
| 比較項目 | 特養(特別養護老人ホーム) | 老健(介護老人保健施設) |
|---|---|---|
| 目的 | 終の住まい(長期入居) | 在宅復帰のための一時的入所 |
| 対象者 | 要介護3以上 | 要介護1以上 |
| 医療体制 | 最低限(医師は非常勤の場合あり) | 医師・看護師が常駐 |
| 入所期間 | 原則、無期限 | 原則、3~6か月 |
| リハビリ | 簡単な機能訓練はあるが、専門的なリハビリは少ない | 充実したリハビリが受けられる |
| 費用 | 比較的安価(所得に応じた減額制度あり) | やや高め(医療費が加算される) |
| 入所までの期間 | 待機期間が長い | 比較的スムーズに入所できる |
どちらを選べばいいの?
● 特養がおすすめの方
- 在宅介護が難しく、長期的に施設で暮らしたい方
- 介護度が重く、家庭での生活が困難な方
- 医療ケアがあまり必要ない方
● 老健がおすすめの方
- 入院後のリハビリや回復期を過ごしたい方
- いずれ在宅に戻ることを前提としている方
- 医療ケアを受けながらリハビリしたい方
■ 特養・老健以外の選択肢も知っておこう
実は、特養や老健以外にも、高齢者向けの施設にはさまざまな種類があります。
たとえば、「グループホーム」は、認知症の方が少人数で共同生活を送る施設です。少人数で家庭的な生活を送ることで、認知症の進行を穏やかに保つ効果も期待されています。
また、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」や「有料老人ホーム」は、比較的自立している高齢者向けに作られた住まいです。介護度が軽いうちから入居でき、必要に応じて外部の介護サービスを利用するスタイルです。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、「どこに入るか」よりも「どのように暮らしたいか」という視点で選ぶことが大切です。
■ 施設を選ぶ際に確認しておきたいポイント
施設を見学する際は、以下のような点に注目しましょう:
- スタッフの対応が丁寧で明るいか
- 居室や共用スペースが清潔で整理されているか
- 食事の内容や提供方法(自炊型、配膳型など)
- 入居者の表情が明るく、落ち着いた雰囲気か
- 家族の面会や外出が柔軟に対応されているか
資料やネットの情報だけで判断せず、できる限り実際に足を運んで確認することが安心につながります。
よくある質問
Q. 特養と老健、どちらが費用が安いですか?
→ 一般的には特養の方が安価です。所得に応じた負担軽減措置もあります。
Q. 老健に長くいられますか?
→ 原則3~6か月ですが、状態に応じて延長が可能な場合もあります。
Q. 両方申し込んでもいいですか?
→ はい、両方申し込むことは可能です。選択肢を増やすためにも、並行して検討するのが安心です。
まとめ:目的と介護の状況で選ぶことが大切
特養と老健は、似ているようで役割がまったく違う施設です。
- 「今後ずっと施設で生活したい」なら特養
- 「回復してから在宅に戻りたい」なら老健
このように、特養と老健は役割が大きく異なります。
ご本人の介護度や健康状態、そしてご家族の介護状況に合わせて選ぶことが大切です。


