介護医療院とは?入所条件・費用・老健や特養との違いをわかりやすく解説

介護医療院で看護職員や家族と穏やかに過ごす高齢女性

介護施設を調べていると、「介護医療院」という名前を見かけることがあります。

特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)に比べると、聞き慣れない方も多いのではないでしょうか。介護医療院は、長期的な医療と介護の両方を必要とする高齢者が、生活の場として療養できる介護保険施設です。

「病院と何が違うの?」「全国にどのくらいあるの?」「どんな人が利用できるの?」と疑問に思う方に向けて、特徴や入所条件、費用、ほかの施設との違いをやさしく解説します。

介護医療院とは?医療と介護を受けながら暮らす施設

介護医療院は、長期にわたって療養が必要な要介護高齢者のための施設です。医師による医学的管理や看護、介護、機能訓練、日常生活の支援を受けながら、施設で暮らします。

病院のように治療だけを受ける場所ではなく、特養のように生活支援を中心とする施設とも少し異なります。日常的な医療を受けながら、食事や入浴、交流などの生活も送れるように、「医療」と「暮らし」の両方を支えることを目的としています。看取りやターミナルケアに対応する役割もあります。

介護医療院は2018年4月に創設されました。以前の介護療養病床などを引き継ぐ役割もあり、病院や診療所から転換した施設が多くあります。名前に「医療院」とありますが、介護保険法上の介護保険施設です。

介護医療院は全国にある?何施設くらい?

厚生労働省の資料によると、2025年の介護医療院の請求事業所数は918か所です。また、施設数・床数の調査では、2024年10月1日現在、全国に917施設、52,837床と報告されています。集計方法と基準日が異なるため、ここではそれぞれの公表値を紹介しています。
施設数を比較すると、同じ2024年10月1日現在の調査で、特養は8,621施設、老健は4,214施設でした。

そのため、自宅の近くに施設があるとは限らず、空き状況も地域や施設によって異なります。近くにあるかを調べるときは、市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センター、担当のケアマネジャーに相談しましょう。厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」でも、地域の施設を検索できます。

※施設数・床数は2024年10月1日現在の公表値です。最新の所在地・空き状況は、各施設や自治体にご確認ください。

入所できるのはどんな人?

介護医療院を利用できるのは、原則として要介護認定を受けている方です。要支援1・2の方は入所できません。ただし、「要介護なら誰でも入れる」という意味ではありません。本人の病状や医療・介護の必要性、施設で対応できる医療内容などを確認し、入所できるか判断されます。

たとえば、継続的な医学的管理が必要な方、日常的な医療処置を受けながら生活したい方、退院後も医療と介護の両方が必要な方などが検討する施設です。必要な医療処置に対応できるかは施設によって違うため、申し込み前に確認しましょう。

入所を希望する場合は、まず主治医や病院の相談員、ケアマネジャーに相談します。施設へ問い合わせる際は、病状、医療処置、服薬、認知症の状態、希望する地域などを伝えると話が進みやすくなります。

介護医療院の「Ⅰ型」と「Ⅱ型」

介護医療院には、医療や介護の必要度に応じた「Ⅰ型」と「Ⅱ型」があります。施設によっては、両方の療養棟を設けています。厚生労働省の説明では、Ⅰ型は介護療養病床相当、Ⅱ型は老健相当以上のサービスを想定しています。

種類おおまかな特徴
Ⅰ型比較的、医療や介護の必要性が高い方を想定
Ⅱ型Ⅰ型より容体が比較的安定している方を想定

Ⅰ型・Ⅱ型のどちらが合うかは、本人の状態や施設の受け入れ体制によって異なります。名称だけで決めず、必要な医療処置や看護体制、夜間の対応、看取りへの対応などを施設に確認してください。

特養・老健・介護医療院の違い

施設主な役割イメージ
介護医療院長期療養と生活を支える医療・看護・介護を受けながら暮らす
介護老人保健施設(老健)リハビリや医療ケアを行い、在宅復帰を支援する自宅に戻ることを目指す中間的な施設
特別養護老人ホーム(特養)日常生活の介護を中心に支える常時介護が必要な方の生活施設

簡単にいうと、医療を受けながら長く暮らすことを重視するなら介護医療院、リハビリをして自宅に戻ることを目指すなら老健、生活上の介護を中心に受けるなら特養が候補になります。

ただし、実際に受けられる医療や支援は施設ごとに異なります。本人の状態や希望に合うか、個別に確認することが大切です。

入所にかかる費用

費用は、介護サービス費の自己負担分に加えて、食費、居住費、日用品費などがかかります。介護サービス費の自己負担割合は、所得に応じて原則1割、一定以上の所得がある方は2割または3割です。所得などの条件を満たす場合、食費・居住費の負担を軽くする制度もあります。

居室の種類、要介護度、施設の体制、地域などによって月額は変わるため、「介護医療院ならいくら」と一律にはいえません。費用の目安は施設に確認し、負担軽減制度については市区町村の介護保険窓口に相談しましょう。

見学や相談の際は、月額の目安だけでなく、医療処置や保険適用外サービスの費用、日用品費、理美容代、個室料金、入院時の扱いなども聞いておくと安心です。

介護医療院を検討するときの確認ポイント

  • 必要な医療処置に対応しているか
  • 夜間や急変時にどのような対応をするか
  • 看取りやターミナルケアに対応しているか
  • Ⅰ型・Ⅱ型のどちらの療養棟か
  • 居室の種類や生活環境、面会・外出のルール
  • 介護サービス費、食費、居住費、その他の費用の合計
  • 空き状況と入所までの流れ

よくある質問

介護医療院は病院ですか?

病院ではなく、介護保険法上の介護保険施設です。医師や看護職員による医療的な支援を受けられますが、病院と同じ治療を行う場所ではありません。必要な医療に対応できるか、施設へ確認してください。

要介護1でも入所できますか?

要介護認定があれば申し込みの対象になり得ますが、要介護度だけで入所が決まるわけではありません。病状や医療の必要性、施設の受け入れ条件などを踏まえて判断されます。

介護医療院は終身で入所できますか?

長期療養を想定した施設ですが、必ず終身で入所できると決まっているわけではありません。本人の状態や施設の方針、医療の必要性などによって変わるため、入所前に確認しましょう。

まとめ

介護医療院は、長期的な医療と介護を必要とする方が、生活の場として療養できる介護保険施設です。2024年10月1日現在、全国に917施設ありますが、特養や老健より施設数が少なく、地域によって選択肢に差があります。

入所を考えるときは、要介護度だけでなく、必要な医療に対応しているか、費用はいくらか、どのような暮らしができるかを確かめることが大切です。ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、候補施設に見学や問い合わせをしてみましょう。

参考資料

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