
親の介護について困ったとき、「まずは担当のケアマネジャーへ相談しましょう」と案内されることがよくあります。
しかし、いざ連絡してみると、休みや外出中でつながらなかったり、折り返しの連絡がすぐに来なかったりすることもあります。
私自身も、相談したいことがあってケアマネジャーへ連絡したものの、その日はつながらず、「今日はもう相談できないのかな」と諦めた経験があります。
そのようなとき、担当者が戻るまで待つべきなのか、居宅介護支援事業所のほかの職員へ相談してよいのか、利用している介護事業所へ直接連絡してよいのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
また、親の転倒や急な体調不良など、すぐに判断しなければならない場面では、ケアマネジャーからの折り返しを待つことが適切ではない場合もあります。
この記事では、ケアマネジャーが休み・外出中などで連絡がつかないときの対処法と、相談内容ごとの連絡先、夜間・休日や緊急時に確認しておきたいことをわかりやすく解説します。
ケアマネに連絡がつかないときは、まず緊急性を確認する
担当のケアマネジャーに連絡がつかないときは、折り返しを待ってよい内容なのか、別の窓口へすぐに連絡すべき状況なのかを判断します。
ケアマネジャーは、介護サービスの調整やケアプランの作成、家族からの相談などを担当する専門職です。しかし、病気やけがの緊急対応を行う医療職ではありません。
親の命や身体に危険がある場合は、ケアマネジャーからの連絡を待たず、119番へ連絡してください。
すぐに119番を検討する症状
- 意識がない、呼びかけても反応が弱い
- 呼吸が苦しそう、息ができない
- 突然、ろれつが回らなくなった
- 顔や手足の片側に力が入らない
- 激しい胸の痛みや強い頭痛がある
- 転倒して頭を強く打った
- 出血が止まらない
救急車を呼ぶべきか、今すぐ医療機関を受診すべきか迷う場合は、利用できる地域であれば救急安心センター「#7119」へ相談できます。
ただし、#7119の実施状況や受付時間は地域によって異なります。明らかに緊急性が高い場合は、#7119ではなく119番へ連絡してください。
相談内容によって連絡先は異なる
| 困っている内容 | 主な連絡先 |
|---|---|
| 意識障害、呼吸困難、強い痛みなど | 119番 |
| 救急車を呼ぶか迷っている | #7119、かかりつけ医など |
| デイサービスや訪問介護を当日休みたい | 利用しているサービス事業所 |
| 訪問看護利用中の体調変化 | 訪問看護事業所、かかりつけ医 |
| 薬の飲み方や医療処置について確認したい | 医師、薬剤師、訪問看護師 |
| サービスの追加・変更を相談したい | 居宅介護支援事業所、担当ケアマネジャー |
| 介護の負担が限界で今日から対応できない | 居宅介護支援事業所、地域包括支援センター |
すべての困り事について、最初にケアマネジャーへ連絡しなければならないわけではありません。内容に応じて、利用中の介護事業所や医療機関へ直接連絡した方が早い場合もあります。
ただし、サービスの日程変更が続く場合や、今のケアプランでは生活を支えられなくなった場合は、担当のケアマネジャーにも状況を共有しましょう。
ケアマネに連絡がつかないのはなぜ?
ケアマネジャーは、事業所の中で電話を待っているだけではありません。
利用者の自宅や介護施設を訪問したり、病院やサービス事業所と連絡を取ったり、会議へ出席したりするため、日中でも事務所を不在にすることがあります。
- ほかの利用者の自宅を訪問している
- サービス担当者会議へ出席している
- 病院や介護事業所へ出向いている
- 移動中や運転中で電話に出られない
- 休暇や研修で不在にしている
- ほかの利用者からの緊急相談に対応している
すぐに電話へ出られないからといって、相談を無視しているとは限りません。
一方で、折り返しを待っている間にも状況が変化する可能性があります。急ぎの相談であれば、留守番電話へ伝えるだけでなく、居宅介護支援事業所の代表番号にも連絡してみましょう。
担当ケアマネが休み・外出中だった場合の対処法
1.留守番電話や伝言に必要な情報を残す
担当ケアマネジャーの携帯電話や事業所が留守番電話になった場合は、名前と連絡先だけでなく、相談内容と緊急度も簡潔に残します。
- 利用者本人の名前
- 電話をした家族の名前
- 折り返し先の電話番号
- 何が起きているのか
- いつまでに返事が必要なのか
「相談があります」だけでは、どの程度急ぐべき内容なのか伝わりません。「明日のデイサービスを休みたい」「家族が入院し、今夜から親を介護できない」など、状況を具体的に伝えましょう。
2.居宅介護支援事業所の代表番号へ連絡する
担当ケアマネジャーの携帯電話につながらない場合は、所属する居宅介護支援事業所へ連絡します。
事業所にほかのケアマネジャーや管理者がいれば、担当者が戻る予定を確認したり、急ぎの相談を引き継いでもらったりできる場合があります。
ただし、ほかの職員がその場ですべてを判断したり、担当者に代わってすぐにサービスを変更したりできるとは限りません。それでも、緊急性の高い事情を事業所へ伝えておくことは大切です。
3.利用中のサービス事業所へ直接連絡する
デイサービスを休む、訪問介護の時間に不在になるなど、当日の利用に関する連絡は、サービスを提供する事業所へ直接伝えられる場合があります。
ただし、利用回数を増やしたい、別のサービスへ変更したい、新しい福祉用具を追加したいといった相談は、ケアプランの調整が必要になることがあります。その場合は担当ケアマネジャーにも相談しましょう。
4.地域包括支援センターへ相談する
居宅介護支援事業所へ連絡しても対応が難しい場合や、担当ケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センターへ相談できます。
地域包括支援センターは、高齢者の生活や介護、福祉、権利擁護などについて相談できる地域の窓口です。
たとえば、次のような状況を相談できます。
- 介護者が急に入院し、親を介護できなくなった
- 家族の介護負担が限界に近づいている
- 担当ケアマネジャーと長期間連絡が取れない
- どの介護事業所へ連絡すればよいか分からない
- まだ要介護認定を受けておらず、担当ケアマネジャーがいない
ただし、地域包括支援センターも、すべての地域で夜間・休日に対応しているわけではありません。開設時間や緊急時の連絡方法は、住んでいる地域によって異なります。
担当する地域包括支援センターが分からない場合は、市区町村の高齢者福祉・介護保険担当窓口へ確認できます。
夜間・休日にケアマネと連絡がつかないときは?
居宅介護支援事業所には、それぞれ営業時間や休業日があります。事業所によっては営業時間外の連絡先を設けていますが、すべての事業所が担当ケアマネジャー個人による24時間対応を行っているわけではありません。
夜間や休日に困ったときは、相談内容に応じて連絡先を判断します。
| 夜間・休日に起きたこと | 主な連絡先 |
|---|---|
| 意識障害、呼吸困難、激しい痛みなど | 119番 |
| 救急車を呼ぶか迷う | #7119、地域の救急相談窓口 |
| 訪問看護を利用している人の体調変化 | 訪問看護事業所の緊急連絡先 |
| 親が行方不明になった | 110番 |
| 利用中の介護サービスで起きた問題 | サービス事業所の緊急連絡先 |
| 翌日以降のサービス変更や介護相談 | 居宅介護支援事業所の営業時間内に連絡 |
特に体調の急変や事故では、ケアマネジャーの判断を受けてから救急車を呼ぶ必要はありません。命や身体に危険があると感じた場合は、迷わず119番へ連絡してください。
契約書や重要事項説明書を確認する
営業時間外の連絡方法は、居宅介護支援事業所との契約時に受け取った重要事項説明書などに記載されている場合があります。
- 事業所の営業時間と休業日
- 営業時間外の連絡先
- 緊急時の連絡方法
- 苦情や相談を受け付ける窓口
書類を紛失した場合は、事業所へ再度確認して構いません。緊急時になってから探すのではなく、連絡先をスマートフォンや自宅の分かりやすい場所に控えておくと安心です。
担当ケアマネが長期間休む・退職した場合は?
担当ケアマネジャーが体調不良や休職などで長期間不在になる場合は、所属する居宅介護支援事業所へ、今後の対応を確認します。
同じ事業所の別のケアマネジャーへ引き継がれる場合もあれば、事業所の体制によっては別の居宅介護支援事業所を探す必要が生じる場合もあります。
担当者の不在によって必要なサービス調整が進まない場合は、次のことを事業所へ確認しましょう。
- 担当ケアマネジャーが戻る予定
- 不在中に相談できる職員
- サービス変更などを引き継ぐ担当者
- 緊急時の連絡先
ケアマネジャーが退職・異動する場合は、通常、事業所から後任者や今後の手続きについて説明があります。
後任者との相性や事業所の対応に不安がある場合は、別の居宅介護支援事業所へ変更することもできます。変更を希望するときは、現在の事業所や地域包括支援センターへ相談してください。
ケアマネから折り返しが来ないときはどうする?
外出や会議などですぐに連絡できなくても、通常は用件を確認したあとに折り返しがあります。しかし、伝言がうまく届いていなかったり、連絡先が正しく伝わっていなかったりすることもあります。
急ぎの用件にもかかわらず折り返しがない場合は、事業所の代表番号へもう一度連絡し、次のように具体的に伝えましょう。
「本日午前中にご連絡しました。家族が入院することになり、明日から親の介護ができません。今日中に相談したいのですが、担当者が難しい場合は、ほかの方へ相談できますか」
「いつでもよい相談」なのか、「今日中に対応が必要な相談」なのかを明確にすると、事業所側も優先度を判断しやすくなります。
それでも連絡がなく、必要な介護サービスの調整ができない状態が続く場合は、地域包括支援センターや市区町村の介護保険担当窓口へ相談できます。
緊急時に備えて連絡先一覧を作っておこう
急な体調不良や介護者の入院などが起きてから連絡先を探すのは大変です。平常時に、親の支援に関係する連絡先を一覧にしておきましょう。
- 担当ケアマネジャー
- 居宅介護支援事業所の代表番号
- 地域包括支援センター
- かかりつけ医・薬局
- 訪問看護事業所
- デイサービスや訪問介護事業所
- 利用している福祉用具事業所
- 家族や近隣の協力者
- #7119など地域の救急相談窓口
連絡先だけでなく、親の持病、服用している薬、健康保険証や介護保険証の保管場所も家族で共有しておくと、緊急時に対応しやすくなります。
担当ケアマネを通さず事業所へ連絡してもいい?
担当ケアマネジャーの携帯電話につながらないとき、居宅介護支援事業所へ直接連絡してよいのか迷う方もいるでしょう。
担当者によっては、「事業所ではなく、まず自分へ連絡してほしい」と案内している場合もあります。また、担当者を通さずに事業所へ連絡すると、あまりよい反応をされないのではないかと心配になる方もいるかもしれません。
しかし、担当ケアマネジャーが休み・外出中などで連絡がつかず、急いで相談する必要がある場合は、所属する居宅介護支援事業所へ連絡して構いません。
私自身、相談したい日に担当のケアマネジャーが休みだったり、外出していて連絡がつかなかったりしたことがありました。そのようなとき、事業所へ連絡することもありましたが、「担当者を待った方がよいのかな」と迷うこともありました。
大切なのは、担当者を飛ばして苦情を伝えることではなく、「担当者につながらず、今日中に確認したいことがある」と事情を落ち着いて説明することです。
「担当の〇〇さんへ連絡しましたが、今日はお休みでしょうか。明日のサービスについて今日中に確認したいことがあります。ほかに相談できる方はいらっしゃいますか」
このように伝えれば、担当者が戻る予定を教えてもらったり、管理者やほかの職員へ取り次いでもらったりできる場合があります。
ただし、緊急性のない相談で、担当者から折り返し時刻を伝えられている場合は、その時間まで待つ方法もあります。急ぎかどうかを家族側でも整理して伝えると、行き違いを防ぎやすくなります。
平常時に連絡方法を確認しておく
ケアマネジャーによって、連絡を受けやすい方法や時間帯は異なります。次回の訪問時などに、あらかじめ次のことを確認しておくと安心です。
- 急ぎでない相談はどの番号へ連絡するか
- 担当者が休みの場合は誰へ相談するか
- 営業時間外の連絡先があるか
- デイサービスの欠席などは事業所へ直接連絡してよいか
- 何日程度連絡がなければ再度電話してよいか
連絡方法を事前に決めておけば、家族も遠慮しすぎず、ケアマネジャー側も対応しやすくなります。
ケアマネに相談すること・事業所へ直接連絡すること
介護に関するすべての連絡を、担当ケアマネジャーへ集める必要はありません。
| 担当ケアマネジャーへ相談すること | サービス事業所へ直接連絡しやすいこと |
|---|---|
| サービスを増やしたい・減らしたい | 当日の欠席やキャンセル |
| 別のサービスへ変更したい | 送迎時間の確認 |
| ショートステイを利用したい | 訪問予定時刻の確認 |
| 介護ベッドなどを追加・変更したい | 持ち物や利用日の確認 |
| 家族の介護負担が限界になっている | サービス利用中に起きたことの確認 |
| 施設入居や今後の介護方針を相談したい | 事業所から届いた請求内容の確認 |
ただし、事業所によって連絡方法が決められている場合があります。また、サービスの追加や大きな変更にはケアプランの調整が必要になることがあるため、最終的には担当ケアマネジャーへの共有も必要です。
何度連絡しても対応してもらえない場合は?
一度電話がつながらなかっただけであれば、訪問や会議などで対応できない可能性があります。
しかし、次のような状態が繰り返され、必要なサービス調整に支障が出ている場合は、別の対応を考えてもよいでしょう。
- 何度連絡しても折り返しがない
- 急ぎの事情を伝えても事業所内で共有されない
- サービスの変更を相談しても長期間進まない
- 担当者が不在のときの連絡先を教えてもらえない
- 相談すること自体をためらうようになった
まずは居宅介護支援事業所の管理者へ、困っている状況を相談します。
それでも改善しない場合は、地域包括支援センターや市区町村の介護保険担当窓口へ相談できます。また、担当ケアマネジャーや居宅介護支援事業所を変更することも可能です。
ケアマネジャーの変更は、相手を責めるためのものではありません。介護を続ける家族と本人が安心して相談できる体制を整えるための選択肢です。
ケアマネに連絡がつかないときのよくある質問
Q.担当ケアマネの携帯電話へ何度もかけてもいいですか?
短時間に何度も電話するより、留守番電話へ名前、相談内容、緊急度、折り返し先を残し、急ぐ場合は居宅介護支援事業所の代表番号へ連絡しましょう。
命や身体に関わる緊急事態では、ケアマネジャーへの電話を繰り返すのではなく、119番など適切な窓口へ連絡してください。
Q.ケアマネが休みの日は、ほかの人に相談できますか?
居宅介護支援事業所にほかのケアマネジャーや管理者がいる場合は、相談を引き継いでもらえることがあります。
ただし、担当者以外がすぐにケアプランを変更できるとは限りません。まずは状況と、いつまでに対応が必要なのかを伝えましょう。
Q.デイサービスの欠席はケアマネにも連絡が必要ですか?
当日の欠席は、まず利用するデイサービスへ直接連絡するのが一般的です。
ただし、欠席が続く場合や、体調・生活状況の変化が理由の場合は、サービス内容の見直しが必要になることもあるため、担当ケアマネジャーにも伝えましょう。
Q.ケアマネは24時間対応してくれますか?
すべてのケアマネジャーが、個人で24時間いつでも電話や訪問に対応するわけではありません。
事業所によっては営業時間外の連絡体制を設けていますが、対応方法は異なります。契約書や重要事項説明書を確認し、不明な場合は平常時に事業所へ確認しておきましょう。
Q.連絡がつかないことを理由にケアマネを変更できますか?
担当ケアマネジャーや居宅介護支援事業所は変更できます。
ただし、一度つながらなかったことだけで判断せず、まずは希望する連絡方法や、困っている点を本人または事業所の管理者へ伝えてみましょう。
話し合っても改善せず、必要な支援に影響が出ている場合は、地域包括支援センターなどへ変更方法を相談できます。
まとめ|担当者につながらないときは相談内容に合った窓口へ
担当ケアマネジャーが休みや外出中で連絡がつかないときは、まず緊急性を確認します。
- 命や身体に危険がある場合は119番
- 救急車を呼ぶか迷う場合は、利用できる地域であれば#7119
- 当日の欠席や時間変更は利用中のサービス事業所
- サービスの追加・変更は担当ケアマネジャーや居宅介護支援事業所
- 担当者と長期間連絡が取れない場合は事業所の管理者や地域包括支援センター
担当ケアマネジャーへ直接連絡するよう案内されている場合でも、休みや外出でつながらず、急ぎの事情があるときは、居宅介護支援事業所へ相談して構いません。
家族が遠慮して困り事を抱え込むと、必要な支援につながるのが遅れてしまいます。「誰へ連絡すればよいか分からない」ということ自体も、事業所や地域包括支援センターへ相談してよい内容です。
いざというときに迷わないよう、担当者が休みの場合の連絡先や、夜間・休日の対応方法を平常時に確認しておきましょう。

