
「親の介護が必要になった」
「仕事と両立できなくなってきた」
このような状況になると、多くの人が一度は考えるのが 「介護離職」 です。
しかし、実際に会社を辞めてしまうと、
・収入はどうなるのか
・社会保険はどうなるのか
・生活は成り立つのか
など、さまざまな不安が出てきます。
この記事では、介護離職を考えたときに知っておきたい制度や現実的な問題を、わかりやすく解説します。
介護離職とは?
介護離職とは、家族の介護を理由に仕事を辞めることです。
日本では高齢化が進んでいるため、
40代〜50代を中心に増えていると言われています。
厚生労働省の調査では、毎年 約10万人前後 が介護を理由に離職しています。
しかし実際には、
「辞めなければよかった」
と後悔するケースも少なくありません。
なぜなら、仕事を辞めると生活に大きな変化が起きるからです。
介護離職すると収入はどうなる?
最も大きな問題は 収入の減少 です。
会社を辞めると、基本的には 給与収入はゼロになります。
そのため、多くの家庭で次のような問題が起きます。
・生活費の負担が増える
・貯金を取り崩す生活になる
・将来の年金額が減る
さらに注意したいのは、介護は長期化しやすいという点です。
平均すると、介護期間は 約5年程度 と言われています。
そのため「少しの間だけ」と思って辞めても、結果的に 長期間収入がなくなる可能性があります。
会社を辞める前に知っておきたい制度
実は、日本には 仕事を辞めなくても介護を支援する制度があります。
まずはそれを知ることがとても大切です。
① 介護休業制度
会社員の場合、多くの人が利用できる制度です。
介護休業とは、
家族の介護のために仕事を休める制度です。
対象となる家族は
・父母
・配偶者
・祖父母
・兄弟姉妹
・子ども
などです。
介護休業は 最大93日まで取得できます。
さらに、この期間は 雇用保険から給付金が支給されます。
※制度の詳しい内容や対象条件については、厚生労働省の公式ページでも確認できます。
② 介護休業給付金
介護休業を取得すると、
雇用保険から 介護休業給付金が支給されます。
支給額は、
休業前賃金の約67%
です。
つまり、完全な無収入にはなりません。
例えば、
月給30万円の人なら
約20万円程度が支給される計算になります。
制度の詳しい条件や疑問については、厚生労働省のQ&Aページでもわかりやすく説明されています。
③ 介護休暇制度
もう一つあるのが 介護休暇です。
これは短期間の休みで、
・年間5日
・要介護者が2人以上なら10日
取得できます。
通院付き添いなどに使えるため、
離職を防ぐための制度とも言われています。
介護離職で一番困ること(リアルな問題)
実際に介護離職した人の声で多いのが、次の3つです。
① 収入がなくなる不安
生活費はもちろんですが、
・住宅ローン
・教育費
・老後資金
など、将来への不安が大きくなります。
特に 40〜50代の離職は、
再就職が難しいこともあります。
② 社会保険の負担が増える
会社を辞めると、
・健康保険
・年金
は自分で払う必要があります。
例えば国民健康保険は、
思ったより高額になることも多いです。
そのため
「収入が減ったのに支出は増えた」
というケースも珍しくありません。
③ 社会とのつながりが減る
これは意外と大きな問題です。
仕事を辞めると、
・人と話す機会が減る
・外出が減る
・ストレスがたまりやすい
など、精神的な負担が増えることがあります。
介護は長期戦なので、
孤立しないことも大切です。
介護離職する前に考えたい選択肢
介護離職を決断する前に、
次の方法を検討することが重要です。
● 介護サービスを利用する
・デイサービス
・訪問介護
・ショートステイ
などを利用すれば、
介護の負担を減らせます。
● 地域包括支援センターに相談する
介護制度や支援制度は複雑です。
そのため、
地域包括支援センター
に相談することで、
適切なサービスを紹介してもらえることがあります。
● 会社に相談する
最近は
・テレワーク
・時短勤務
・フレックスタイム
など、柔軟な働き方ができる企業も増えています。
会社によっては、介護支援制度がある場合もあります。
どうしても介護離職する場合の手続き
もし離職を選ぶ場合は、次の制度を確認しておきましょう。
● 失業保険(基本手当)
介護離職の場合、条件を満たせば 失業保険を受け取れます。
さらに、介護を理由とする離職は『特定理由離職者』として扱われる場合があります。
その場合、
・給付制限が短くなる
・早く支給される
可能性があります。
● 国民健康保険
退職後は
・国民健康保険
・任意継続
どちらかを選びます。
費用は地域によって違うため、比較することが大切です。
● 国民年金
会社を辞めると、厚生年金から 国民年金に変わります。
年金の支払いが難しい場合は、国民年金の免除制度を利用できる場合があります。
詳しい条件や申請方法については、日本年金機構の公式ページでも確認できます。
まとめ
| 不安・疑問 | 現実 | 対処方法 |
|---|---|---|
| 仕事を辞めたら収入は? | 基本的に給与はゼロ | 介護休業給付金・失業保険を確認 |
| 介護のために休める? | 介護休業制度あり(最大93日) | 会社の制度を確認 |
| 短期の休みは取れる? | 介護休暇(年5日〜10日) | 通院付き添いなどに利用 |
| 社会保険はどうなる? | 国民健康保険に切替 | 任意継続と比較 |
| 将来の年金は? | 厚生年金→国民年金 | 年金免除制度あり |
介護離職は、家族を支えるための大きな決断です。
しかし、辞めてから
「こんなはずじゃなかった」
と後悔する人も少なくありません。
そのため大切なのは、
・制度を知る
・介護サービスを利用する
・会社と相談する
など、離職以外の選択肢も検討することです。
介護は長く続くことが多いものです。
無理をして一人で抱え込まず、
制度や周囲の支援を上手に利用しながら
自分の生活も守ることが大切です。
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