高齢の親がトイレを汚す…尿こぼれ・床の汚れを減らす対策

高齢の親と暮らしていると、トイレの床や便器のまわりが尿で濡れていることがあります。

最初は「少しこぼしただけかな」と思っていても、それが毎日続くと掃除が負担になります。拭いても臭いが残ったり、本人に伝えると機嫌を損ねたりすることもあり、意外と悩ましい問題です。

わが家でも、トイレの尿こぼれに困った時期がありました。

そこでトイレを改修し、座って使いやすい環境にしたところ、床への飛び散りがかなり減りました。尿が床や壁に残らなくなったため、以前のような臭いもほとんど気になりません。

本人も、きれいになったトイレを気持ちよさそうに使っています(笑)。

この記事では、高齢の親がトイレを汚してしまう理由と、家族の掃除負担を減らすためにできる対策を紹介します。

高齢になるとトイレの尿こぼれが増える理由

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トイレの汚れが増えると、つい「もう少し気をつけてくれたらいいのに」と思ってしまいます。

しかし、高齢になると本人が注意していても、これまでと同じようにはできなくなることがあります。

立った姿勢が安定しにくくなる

筋力やバランス感覚が低下すると、立ったまま便器の中央を狙うことが難しくなります。

手すりや壁につかまりながら排尿している場合は、身体の向きを細かく調整できず、便器の外へこぼれてしまうこともあります。

本人は便器の中に入っているつもりなので、床が濡れていることに気づかない場合もあります。

尿の勢いや方向が変わる

年齢とともに尿の勢いが弱くなったり、まっすぐ出にくくなったりすることがあります。

男性の場合、尿が途中で分かれたり、思っていた方向と違うところへ飛んだりすることも珍しくありません。

排尿後に残った尿が、下着を整えている途中で垂れてしまうこともあります。

トイレに間に合わず慌ててしまう

尿意を感じてから我慢できる時間が短くなると、便器の前で衣服を下ろしている間に尿が出てしまうことがあります。

ズボンや下着が脱ぎにくい、ベルトやボタンに時間がかかるといったことも、尿こぼれにつながります。

暗さや見えにくさも関係する

高齢になると、暗い場所では床や便器の位置が分かりにくくなります。

特に夜間は寝ぼけていたり、眼鏡をかけずにトイレへ行ったりするため、立つ位置がずれてしまうことがあります。

まず試したいのは「座って使う」こと

男性は長年、立って排尿することに慣れているため、家族から座るように言われても抵抗を感じることがあります。

それでも、床や壁への飛び散りを減らすには、座って使う方法が比較的取り入れやすい対策です。

わが家でも、座って使うようになってから、トイレの床が尿で濡れることが少なくなりました。

飛び散った尿が床や便器の隙間に残らなくなったことで、トイレの臭いも大きく変わりました。以前は掃除をしても、しばらくすると何となく尿臭が戻っていましたが、今はそれほど気になりません。

本人にとっても、立ったまま狙いを定める必要がなくなり、落ち着いて使えるようになったのだと思います。

ただし、座れば必ずこぼれなくなるわけではありません。

便座の奥まで座れていない場合や、身体が傾いている場合には、便座と便器の隙間から尿が漏れることがあります。座り方や便座の高さも一緒に確認してみると、原因を見つけやすくなります。

「座って」と言うだけではうまくいかないこともある

尿こぼれを指摘されると、本人も恥ずかしさや情けなさを感じることがあります。

「また汚している」「どうして座ってくれないの」と言われると、注意されたことよりも、責められた気持ちの方が強く残ってしまうかもしれません。

わが家では、本人を変えようとするだけでなく、座って使いやすいトイレに改修しました。

結果として尿こぼれが減り、掃除をする側も楽になりましたが、それ以上によかったのは、本人もきれいなトイレを気持ちよく使えていることです。

「汚さないようにしてもらう」というよりも、「無理なくきれいに使える環境にする」と考えた方が、お互いに気持ちよく過ごせるように思います。

トイレの尿こぼれを減らすための工夫

トイレをすぐに改修できない場合でも、環境を少し変えることで改善することがあります。

便座の高さを確認する

便座が低すぎると、座るときや立ち上がるときにふらつきやすくなります。

反対に高すぎると、足が床につかず姿勢が安定しません。

座ったときに両足が床につき、身体を無理なく支えられる高さが目安になります。便座の高さを補う補高便座という介護用品もあります。

手すりを取り付ける

便器の横に手すりがあると、座る・立ち上がる動作が安定します。

ただし、取り付ける場所によっては身体をひねる必要が生じるため、本人がどこにつかまっているかを確認してから設置すると安心です。

工事が難しい場合は、便器を囲むように置く据え置き型の手すりもあります。

夜間も足元を見やすくする

夜のトイレが暗い場合は、人感センサー付きライトなどで通路や便器の周辺を照らす方法があります。

突然まぶしくなる照明が苦手な方もいるため、やさしい明るさのものが使いやすいでしょう。

脱ぎやすい衣服に変える

ボタンやベルトを外すのに時間がかかっている場合は、ウエストがゴムになったズボンなどへ変えることで、便器に座るまでの時間を短くできます。

ただし、本人の好みもあります。いきなり介護用の衣服へ変えるのではなく、普段着に見えるものから試すと受け入れてもらいやすくなります。

使い捨ての吸水シートを活用する

どうしても床へこぼれてしまう場合は、便器のまわりに使い捨ての吸水シートを敷く方法もあります。

一般的な布製トイレマットは、尿を吸い込んだまま気づきにくく、臭いの原因になることがあります。尿こぼれが続く場合は、汚れた部分だけ交換できる使い捨ての吸水シートも便利です。洗濯の負担がなく、床に尿が残るのを防ぎやすくなります。

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尿の臭いが消えないときはどこを確認する?

床を拭いても臭いが残る場合、目に見えない場所に尿が入り込んでいる可能性があります。

特に汚れがたまりやすいのは、次のような場所です。

  • 便器と床の境目
  • 便座の裏側
  • 便器の側面
  • 壁の低い位置
  • 温水洗浄便座の取り付け部分
  • 布製マットやスリッパ
  • 便器の後ろ側

尿が乾くと、表面を水拭きしただけでは臭いが取れないことがあります。トイレ用洗剤を使い、製品に記載された方法で掃除します。

なお、酸性洗剤と塩素系洗剤を混ぜると、有毒なガスが発生して大変危険です。同時に使わず、換気をしながら掃除することが大切です。

改修するなら介護保険を使える場合もある

要支援・要介護認定を受けている方が暮らす住宅では、身体の状態や工事内容によって、介護保険の住宅改修費が支給される場合があります。

対象となる主な工事には、手すりの取り付け、段差の解消、滑りにくい床材への変更、和式便器から洋式便器への取り替えなどがあります。

ただし、すでに洋式便器を使用している場合の、温水洗浄機能や暖房便座の追加などは、原則として住宅改修費の対象になりません。厚生労働省「介護保険の給付対象となる住宅改修の取扱い」

対象になる工事や申請方法は、本人の状態や自治体によっても異なります。介護保険を利用したい場合は、工事を始める前にケアマネジャーや自治体の介護保険窓口へ相談しておくと安心です。

先に工事をすると支給を受けられない場合があるため、順番には注意が必要です。

急に尿こぼれが増えたときは体調も確認する

以前は問題なく使えていたのに、急にトイレを汚すことが増えた場合は、環境だけが原因とは限りません。

  • トイレへ行く回数が急に増えた
  • 尿が出にくそうにしている
  • 排尿時に痛そうな様子がある
  • 尿が濁っている、血が混じっている
  • 尿の臭いが急に強くなった
  • 排尿後もすっきりしない様子がある
  • 急にぼんやりしたり、落ち着きがなくなった
  • 発熱や寒気がある

このような変化がある場合は、膀胱炎などの尿路感染症や、前立腺・膀胱に関係する病気が隠れている可能性もあります。

高齢者の尿路感染症では、いつもより混乱する、尿漏れが急に増えるといった変化が現れることもあります。NHS「尿路感染症の症状」

本人のせいだと決めつけず、気になる変化があれば、かかりつけ医や泌尿器科へ相談してみてください。

よくある質問

男性には必ず座ってしてもらった方がよいですか?

必ずしもすべての方に合うわけではありませんが、立った姿勢が不安定な方や、床への飛び散りが多い場合には試す価値があります。

座ったときに便座と便器の隙間から漏れる方もいるため、深く腰掛けられているか、便座の高さが合っているかも確認します。

本人が座ってするのを嫌がる場合はどうすればよいですか?

長年の習慣を急に変えることに抵抗を感じる方もいます。

「床を汚すから座って」と責めるのではなく、「立ったままだと転びそうで心配」「こちらの方がゆっくり使えそう」と伝える方が受け入れてもらいやすいことがあります。

家族の言葉では納得してもらえない場合は、ケアマネジャーや訪問看護師などから話してもらう方法もあります。

トイレマットは敷いた方がよいですか?

布製マットは床を守れますが、尿が染み込むと臭いが残りやすく、洗濯の負担も増えます。

マットを置かずに拭きやすくする方法や、使い捨ての吸水シートを使う方法もあります。本人がつまずかないことを第一に、家庭に合うものを選ぶとよいでしょう。

トイレの改修はどこに相談すればよいですか?

要支援・要介護認定を受けている場合は、まず担当のケアマネジャーへ相談できます。まだ認定を受けていない場合は、地域包括支援センターや自治体の介護保険窓口でも相談できます。

介護保険を使う可能性があるときは、工事業者へ直接依頼する前に相談することが大切です。

まとめ|本人を責めるより、汚れにくい環境をつくる

高齢の親がトイレを汚すようになると、毎日の掃除だけでなく、臭いや本人への伝え方にも悩みます。

けれども、筋力や視力の低下、尿の出方の変化など、本人の注意だけでは解決しにくい原因もあります。

わが家ではトイレを改修し、座って使うようになったことで、尿こぼれと臭いが大きく減りました。掃除が楽になっただけでなく、本人がきれいなトイレを気持ちよく使えていることも、改修してよかったと感じる点です。

注意を繰り返してお互いが嫌な気持ちになるより、手すりや照明、便座の高さ、衣服などを見直し、自然に汚れにくくなる環境をつくる方がうまくいくこともあります。

トイレは毎日何度も使う場所です。本人と家族のどちらか一方が我慢するのではなく、少しでも安心して使え、掃除の負担も減らせる方法を探してみてはいかがでしょうか。

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